高まる“核の脅威”……「核の傘」と「核なき世界」の狭間で日本は? 官邸幹部「非核三原則の“持ち込ませず”緩める議論も」
北朝鮮が憲法に「核兵器の高度化」を明記しました。日本は北朝鮮だけでなく、中国やロシアという核保有国にも囲まれています。現状ではアメリカの核の傘を抑止力としていますが、核の脅威にどう向き合い、身を守るのか。難しい議論が求められています。
■対北朝鮮で…非保有国・韓国の対応は?
中島芽生アナウンサー
「北朝鮮は核保有国としての道を突き進んでいます」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「そうした北朝鮮の核の脅威に対抗するため、韓国は今自分では核を持っていませんが、同盟国アメリカの核戦力を抑止力として運用できるようにすることなどを、アメリカと話し合うことにしています。今年 7 月には初会合も開かれました」
中島アナウンサー
「日本もひと事ではないですよね」
■広島サミットで「核なき世界」に言及
小栗委員長
「少し目を広げてみると、日本は北朝鮮だけでなく、中国やロシアという核保有国に囲まれています。この脅威から、どう身を守るのか」
「日本には核兵器を『持たず、作らず、持ち込ませず』という非核三原則があるので、あくまでも同盟国アメリカの核の傘を抑止力としているのが現状です」
「ただ、ある官邸幹部は『将来的には抑止力を高めるために、“持ち込ませず”を緩めて、核を搭載したアメリカの船が日本の領海を通ることを認めるようにするのか、議論すべき時が来るかもしれない』と話します」
「一方で日本は、世界唯一の戦争被爆国であり、今年の広島サミットでは『核なき世界』の実現に向けてリードしていくことを誓いました」
「この全く方向性が違う議論をどう現実の政策に落とし込んでいくのか。ただ『議論が必要』というだけの時期は過ぎているのかもしれません」
■歴史の教訓は…「具体的な議論」を
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「核を持ち込ませるようなことはしてほしくないですね。過去の歴史から学んだことを台無しにしているように思います。ただ正解が分からない難しい問題だと思うので、実際にみんなで議論を始めていきたいですね」
(9 月 28 日『news zero』より)