患者の約8割が外国人観光客…年末年始も休みなしのクリニック ポリシーは“どんな患者も断らない”【every.気になる!】
東京駅を出て、徒歩1分ほどのところにある午前9時から午後9時まで患者を受け入れる「東京ステーションインターナショナルクリニック」。こちらにやってくる人のおよそ8割は外国人観光客だといいます。
アメリカから
「顔に湿疹ができて、治らないので診察に来ました」
アメリカから
「雪で滑って転んで手をケガしました」
クリニックを訪れる人たちの理由は、多種多様。ただ、多いのは風邪やインフルエンザといった感染症で、朝晩の冷え込みが厳しくなった先月から患者が増えているといいます。
香港から来た観光客も──
医師
「せきが出ますか?」
香港から
「はい。東京はとても寒くて、せきが止まらなくなりました」
多くの外国人が駆け込む、年中無休のクリニック。
スタッフは全員、英語と中国語に対応可能で、中にはスペイン語にフランス語など5か国語を話せる人もいるということです。
“どんな患者も断らない”というのがポリシーだといいます。
アメリカから来た旅行中という家族は、急に息子の顔に湿疹ができたといいます。
医師
「症状はいつからですか?」
アメリカから・父
「3日前です。最初は小さかったけど、どんどん大きくなりました」
医師
「“とびひ”ですね」
医師は、皮膚が細菌に感染する“とびひ”と診断。
医師
「抗生物質とクリームを処方します。2~3日あれば治ると思います」
ただ、お父さんには心配が…。
アメリカから・父
「診察代いくらなんだろう…」
その費用は…?
アメリカから・父
「1万2000円!?安いです…アメリカだったら0が増えています」
海外旅行保険を使うことも可能で、保険会社に診断書を提出し、適用されれば負担が軽くなることもあるといいます。
都心で最低気温1.1℃となったこの日、カナダからの観光客がTシャツ姿でやって来ました。
──寒くないですか?
カナダから(40代)
「僕はカナダ出身だから、全然寒くないです」
寒気はないものの、熱があるといいます。
医師
「熱はいつからですか?」
カナダから(40代)
「昨日の夜からです」
診断の結果は風邪でした。
カナダ男性(40代)
「(カナダと比べて)人が多くて、風邪をひいたかもしれません」
イギリスから来た家族が手に持っていたのはティッシュの箱でした。
イギリスから・父(60代)
「ひどい風邪をひいてしまったようです」
せきや鼻水、熱などの症状があらわれ、来院したとのこと。
イギリスから・父(60代)
「せきが苦しくて、頭も痛いです」
流行しているインフルエンザの可能性も。
医師
「5分かかる検査が10秒で結果が出ました。インフルエンザA型です」
インフルエンザと診断され、タミフルが処方されました。
イギリスから・息子(20代)
「今夜は焼き肉の予定だったけど…」
イギリスから・父(60代)
「結果は残念ですが、すぐに診察を受けられてよかったです」
医師のすすめで、5日間ほど外出は自粛することになったといいます。その後、無事に体調も回復し、念願の焼き肉を堪能したそうです。
メキシコから来た夫婦は、せきが止まらないので心配になったといいます。
メキシコから(20代)
「山形県に行ったら雪が降っていました。気温の影響もあったのか、妻はせきが出て、のどが痛いそうです」
医師
「せきなど症状が出て何日くらいですか?」
メキシコから(20代)
「1週間くらいです」
医師
「1週間もですか…」
乾いたせきが続いていることから、医師はマイコプラズマ肺炎の可能性を疑います。重症化すると入院が必要になるケースもあるとのことで、不安な表情に。果たして、診断の結果は…?
医師
「マイコプラズマ肺炎の可能性はなさそうです」
軽い気管支炎とのことで、せき止めと抗生物質を処方されました。
メキシコから(20代)
「治ったら、ラーメンを食べに行きたいと思っています」
ようやく妻の表情にも笑顔が戻りました。
アメリカから来た姉妹は、この前日に来日したそうです。
アメリカから・妹(30代)
「すしとか、おいしい和食をたくさん食べに来ました」
和食が大好きで、念願の日本観光だったそうですが…。
アメリカから・妹(30代)
「昨日の夜にうどんを食べてとてもおいしかったんですが。その後、すごい腹痛が…」
日本に到着してすぐに2人でうどんを食べた後、妹さんだけ腹痛と吐き気に苦しんだといいます。
医師
「腸内細菌の変化が原因です。自分が住んでいる国だったらとても安定していますが、慣れない食べ物に体が合わせようとして腹痛を起こすことがあります」
診断結果は「食あたり」。
アメリカから・妹(30代)
「せっかく日本に来たのに、ご飯は“おあずけ”です」
3日後に撮影された写真の中で、女性はお姉さんからもらった病気が早く治るようにと願うお守りを手にしていました。
お守りのおかげもあってか体調も復活し、大好きな天ぷらやそばなど、思う存分食べることができたということです。