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【密着】どんな患者も断らない!瞬時の判断で命を救う"救命救急"の現場 『every.特集』

2024年3月2日 19:00
【密着】どんな患者も断らない!瞬時の判断で命を救う"救命救急"の現場 『every.特集』

救急車がサイレンを鳴らし向かったのは藤沢市民病院・救命救急センター。24時間365日患者を受け入れ、対応している。

この日、搬送されてきたのは30代の女性。意識はあるものの、ぐったりとした様子。発見時女性のそばには、すべて空になった錠剤のシートがあったという。その数73錠。薬の過剰摂取、いわゆる「オーバードーズ」だ。肝臓や心臓の障害が起こるだけでなく、意識喪失や呼吸停止してしまう場合もある。市販薬であっても最悪の場合、死に至る危険な行為だ。

医師は、女性の体から薬を排出させるため、一刻も早く処置しなければならない。興奮する患者に声をかけ続けながら処置を終えた。

今回、大事には至らなかったが、医師によると「オーバードーズはコロナ禍が明けて増えた」という。実際、医薬品の過剰摂取が原因と疑われる救急搬送は増加傾向にある。去年は上半期だけで5600件を超えていて、おととしを上回るペースで増加している。

別の日。運ばれてきたのは80代の男性。ファミリーレストランでハンバーグを食べたあと、呼吸困難になったという。呼吸が荒く、手は赤く腫れあがっていた。原因は、小麦アレルギーによるアナフィラキシーショックだ。

実は、この男性1年前にも救急搬送されてきていた。重症化すれば、命を落とす危険性もある。幸いにも今回症状は軽度だったが、食物アレルギーがある人は原料などにも注意が必要だ。

ひとつの処置が終わっても、すぐさま別の患者が…。

保温シートに覆われ、搬送されてきた90代の女性。市役所の職員が「連絡がつかない」と1人暮らしの女性の自宅を訪ねたところ、キッチンで倒れていたという。

体温は29℃。危険な低体温状態だ。意識がもうろうとしている女性に声をかけ続け、体を温めながら点滴をしていると、女性から「わかってきた気がする」との声が…。やがて体温も32℃まで上昇、意識も徐々にはっきりし、最悪の危機は脱することができた。

70歳以上の1人暮らしが1万6000人を超えている藤沢市。この日の夜も、1人暮らしの70代の男性が運び込まれてきた。家族が自宅を訪ねると「意識がはっきりしない状態」だったという。一刻も早く原因を突き止めなければならない。お薬手帳もなく何の病気があるのか手掛かりがない。

意識障害があり脳卒中が疑われる中、血液検査をしてみると、低血糖という結果が。血糖値の低下で、意識障害を引き起こしていたのだ。処置が遅れれば命にも関わる低血糖。ブドウ糖などを注射し、さらなる容体悪化を防ぐ。ただ、気になるのは「低血糖」を起こした原因。何か、重い病気が隠れているのではないか…脳に異変がないかCT検査を行う。

その最中も救命救急医は患者のかかりつけ医に連絡。持病や処方薬の聞き取りを行い、なぜ低血糖が起きたのかを探る。すると、糖尿病の持病があったことが判明。低血糖になった原因は、血糖値を下げるため、自ら打ったインスリン注射だった。

命を救い、原因を突き止めるところまでが使命の救命救急医。無事に糖尿病の専門医に引き継ぐことができた。

いかなるケースでも最善を尽くし、全力で走り続ける彼らの原動力とは?

※詳しくは動画をご覧ください。(2024年2月29日放送「news every.」より)

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