31年前の記憶頼りに… “手形タイムカプセル”持ち主判明?
31年前、埼玉・川越市で“手形タイムカプセル”が設置されましたが、持ち主の手がかりになるものがほとんどなく、返還作業が難航していました。しかし9日、このタイムカプセルについて放送された番組を見て、ある男性が、自分のものを探しに来ました。持ち主不明となっている約1400枚の中から、果たして見つけることができるのか――。
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9日、埼玉・川越市でカメラの前に立った阿部洋平さんは、どこか緊張した様子でした。「タイムカプセルを探しに来ました」――。
実は今月1日、このタイムカプセルについてnews every.が放送。31年前、埼玉県川越市の駅前に設置されたものです。当時の小学生たちが手形を押し、その中には、未来の自分へ宛てた手紙や写真が納められていますが、名簿や連絡先など持ち主の手がかりになるものがほとんどなく、返還作業が難航していました。
この放送を見て、番組に連絡してくれたのが阿部さんです。小学6年生の時に“手形”に参加した覚えがあり、探しに行くといいます。
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手がかりとなるのは、31年前に“手形”を設置した場所の記憶のみです。
阿部洋平さん
「噴水の近くで見に行った記憶もあるので、自分のがここにあったっていう記憶もある」
探してみると、たくさんある“手形”から見つけ出すのに、悪戦苦闘。それでも捜索すること15分…。見つけたのは阿部さんのイニシャル「Y.A」が書かれた手形です。
阿部洋平さん
「自分のっぽい感じ。100%は断言できないけど」
それを受け取り、割ってみることにしました。果たして。阿部さんの物なのか…。市の職員も不安な面持ちで、その瞬間を見守ります。
31年の時を経て見えてきたのは、ピンクの紙。そこに書かれていたのは――。
『友達と暮らして、花屋になりたい』
阿部洋平さん
「花屋の夢なかったので、自分のではない」
残念ながら、阿部さんのものではありませんでした。市が、再び管理するということです。
川越市役所 都市計画部 小林孝至参事
「当時の状況がなかなかわかっていないことで、こういうこともあるのかな」
いまだ持ち主不明の手形は約1400枚あるということで、市は持ち主を探し続けています。