31年前の“タイムカプセル” 返還呼びかけも1400人分“持ち主不明”10年間で受け取りは300人
31年前、埼玉・川越市で、小学生など1700人が手形を押してタイムカプセルを作りました。10年前からこの手形を返還していますが、1400人分もの“手形”について、持ち主が分かっていません。
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川越市立教育センターにオレンジのカゴがずらっと置かれていました。中に入っていたのは、手形がつけられた石版のようなプレートです。重さは2キロほどです。このプレート、実は――
川越市役所都市計画部 小林孝至参事
「31年前に当時の小学生が手形を押して、タイムカプセルを作ったということで」
この“手形”は、タイムカプセルになっているといいます。中には、手紙や写真などの思い出がいっぱい詰まっています。
今から31年前の1991年、市内の小学生などの“手形”を作り、川越駅前の広場に1700枚設置しました。そして、市の100周年である今年に開封する予定でした。
しかし、駅前広場の改修工事に伴い2011年、撤去することになり、この10年ほど返還を呼びかけてきましたが…
川越市役所都市計画部 小林孝至参事
「取りに来ていただけないのが1400枚、ここに残っている状況です」
タイムカプセルを受け取りにきたのは、わずか300人ほどだといいます。返還が難航しているワケは、手形に名前が書かれていないからです。持ち主の手がかりになる名前などの個人を示す情報はほぼなく、あるのは“手形”だけです。参加者の名簿なども、ほとんど残っていないといいます。
川越市役所都市計画部 小林孝至参事
「当時の方のここにあったという記憶で、探しにきている状況です」
今年は、設置されていた場所を覚えていた20人ほどしか、受け取ることができませんでした。
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「news every.」は、“手形”を頼りに持ち主を探してみることにしました。まずは、人通りの多い駅前で聞いてみると――
「知ってる?」
「知らない」
「いやーちょっと知らないですね」
「昔あった駅の噴水のところにあったやつ。いっぱい並んでいたような印象」
見たことはあっても、持ち主ではない模様でした。場所を変えて、小江戸の飲食店へいってみると、生まれも育ちもずっと川越で、まさに当時、小学生だったラーメン店店主に出会えましたが――
大八勝山店主 勝山敏明さん
「今、43歳になったところ。ちょっと心当たりないです。仮に取りに行っても、どれが自分のかわからないってことですよね。ちょっと厳しいと思いますよね」
持ち主は一向に見つかりません。さらにスーパー前などでも聞き込みをすすめますが――
「ちょっと、見覚えないですね。知らなかったです。(聞いたの)初ですね」
「知らないです」
午前9時から市内で聞き込みをしたものの、持ち主に出会うことはできませんでした。
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帰る場所が見つからない1400枚もの手形…。市は、年末まで保管を続けるということで、心当たりのある人は申し出てほしいということです。