“身近なマイノリティー” 左利きの苦悩とは? “左用”グッズで気付くこと…新たな発見も
2月23・24・25日は、楽しく多様性に触れる「カラフルウィークエンド」。『news every.』では今週、さまざまな「生きやすさ」に関する企画を放送します。
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21日は、10人に1人といわれている「左利き」についてです。
藤井キャスター、鈴江キャスターや木原さんも左利きと、エブリキャスターは左利きが多いんです。
さて、学校の教室、実は左利きの方には、少し使いにくいつくりになっていたってご存知でしたか? 黒板を前にしたとき、窓が左側です。今ではいろいろな形の教室が増えてきていますが、こちらの形をイメージする方も多いと思います。
名古屋市立大学の太幡英亮教授によると、明治時代からこの形が広まっていったと考えられていて、実は、定説では右利きの人が文字を書くときに手元が影にならないためだということです。
そんな右利きの人には知られざる「左利きの世界」を取材しました。
■左利きには使いづらい身近な道具 “知られざる”苦悩とは
多くの右利きさんの陰に隠れた、左利きさんの小さなストレス。
左利き(20代)
「お玉がしずくみたいな形になってるやつ(レードル)。こうつぎたいけど、こうなるみたいな。めちゃめちゃつぎにくい」
左利き寄りの両利き(20代)
「急須とかも、右手が使いやすいようにできていたり。よくクロスしてやってます」
そして特によく聞かれた“苦悩”が、右手を使うように指導された経験です。
元左利き(40代)
「僕らの時代だと左利きはいじめられるというので、右利きに“矯正”させられた」
■教育現場に変化が…左手で習字
しかし、教育現場では変化が起きていました。
東京・北区にある第四岩淵小学校の6年生のクラスでは、27人中6人が左利きだといいます。
そこで書写の授業をのぞいてみると、左手で習字を書いている児童がいます。左手でははらいや止めが書きづらく、右で書くように指導されることもありますが…。
左利きの児童
「もともと左利きなので、右で書くと(字が)汚くなっちゃうので、左で書いた方がいいかなって」
第四岩淵小学校 茂木勝彦主幹教諭
「習字の時間には最初の段階で、すずりを反対に置いて左で書いてもいいよ、という話はしました」
■左利き用アイテムを集めた店 家族や恋人が左利きで来店も
左利きさんの悩みに寄り添った店も登場しています。
並んでいるのは、注ぎ口が逆方向についた急須や、どちらの手でも使うことができるレードルなど、約200点の左利きに優しいアイテム。
「左ききの道具店」は普段はネット販売がメインですが、「レフト」にかけた2月10日の「左利きグッズの日」に合わせ、期間限定で大阪市の阪神梅田本店に出店していました。(イベントは終了しています)
中には、次のようなユニークなものまでありました。
左ききの道具店 加藤礼店長
「一般的なトランプだと左上と右下に数字とマークが入っている。左手で広げていくと、数字とマークがない角が上に出てきて、見づらい」
左ききの道具店 加藤礼店長
「この葉っぱの形のトランプだと、どちらの手で開いてもよく見える」
1つ見つけることすら大変な左利き用アイテムを集めることで、選ぶ楽しさを感じてほしいといいます。
お客さんは左利きばかり、かと思いきや、家族や恋人が左利きというお客さんも。
客
「生粋の右」
「右利きでございます。娘が左利きなので立ち寄りました」
こちらの二人組は、左利きと右利きのお友達同士。
右利きさん
「定規とか(左右)関係なさそう」
左利きさん
「定規めちゃめちゃ関係あるよ!」
興味を示していたのは、両側に数字が書かれた定規です。
左利きの場合、左に向かって線を引くため、一般的な定規だと目盛りを逆から読むことになるのです。そのため、左利き用に右側から目盛りがふられています。
右利きさん
「そっか。私が右手でこうしてたら、やりづらいってことだよね」
右利きのお客さんも、左利きの苦労を知る機会になっているようです。
利き手に関する情報発信などを行う「日本左利き協会」の大路直哉さんによると「左利きグッズの普及も大事ですが、よりバリアフリーの世の中を目指すためには、どちらの利き手でも使える“ユニバーサルデザイン”の商品を増やしていく必要がある」といいます
少し意識してみることで、他の人の気持ちを知ることができるかもしれません。