【校則を撤廃!?】服装もSNSも! 自分たちで“ルール”を作る生徒たちの取り組み 『every.特集』
髪型や下着の色まで指定するいわゆる"ブラック校則"そうした校則を変えたいと生徒たちが声をあげ、今年3月、校則を『撤廃』した公立中学校がある。学校でどんな変化が生まれたのか取材した。
岡山県にある、玉野市立・荘内中学校。校則は昭和29年の学校創立以来、ほぼ見直されてこなかったという。校則の中には「中学生らしい清潔感のある髪型とする」の一文が。今では許されている、サイドを刈り上げたツーブロックやお団子・ハーフアップなどの髪型は“中学生らしい髪型”ではないと校則で禁止されていた。こうした校則に生徒が疑問を持ち、学校に直談判。今年3月、校則作りの権利は「先生」から「生徒」へと譲渡された。校則は撤廃され、校則にかわる“ルール”を生徒たち自らがつくることに。当時の生徒会長、川畑さんは「校則として強制的にしばられるより自分たちがつくったルールの方がよりよい学校生活ができるんじゃないか」と考えたという。当初、住田校長は「不安がないといえばウソになる。今後どうなるのかなと考えた」と話すが不安を抱えながらも、生徒たちの主体性を信じることに。
実際に生徒たちにルール作りを任せてみると、校則で「靴下は白」と決められていたものは黒や紺もOKに。一方でルーズソックスは禁止にするなど、新たな制約も設けた。さらに生徒たちの希望で学校に設置されたというのが自動販売機。お金のトラブルがないよう「学校に持ってくるお金は500円以下」というルールをつくっている。しかも、売上の2割が荘内中学校に入ることになっていてそのお金でみんながほしかった掃除機を買うなど、よりよい学校生活のために工夫しているという。
生徒たちはどんな風にルールをつくっているのか?見せてもらった。話し合いの場は、全校生徒が集合する「生徒総会」。議題は『体操服のシャツを出してもいいか』と『学校公式SNSで顔を出してもいいか』学年関係なくグループに分かれて話し合い、その場で出た意見を2週間かけて生徒会がまとめる。そして、発表された新たなルールでは…体操服のシャツは授業の挨拶ではしまい、それ以外は出してもいいことに。またSNSの顔出しについては…本人と保護者に確認する、名札にはモザイクをかけるというルールに。ただ一度決まったルールでも定期的に生徒で話し合い見直し続けていくという。
ルールが発表された翌日。「顔が写る!黒のパーカの子の顔が写るかも」教室には、学校のSNS用に写真を撮る生徒の姿が。顔出しできない生徒の顔が写らないよう、新しいルールを守って撮影していた。撮影していたのは、イベントの準備風景。実は、翌日、お世話になっている地域の人たちとの交流するイベントを有志の生徒たちで開催するのだという。校則に代わるルールづくりなど、自分たちで考えて動くことが多くなった生徒たち。このイベントも生徒たちのアイデアだ。迎えたイベント当日。会場には地域の人だけではなく市外からのお客さんや卒業生など約2000人が集まり大盛況。景品用のおもちゃやお菓子は、生徒自らクラウドファンディングでお金を集めて購入したという。さらに、地域の店などにも協力をあおぎ、学校内に飲食店のブースも用意。
イベントに協力していた玉野市の商工観光課の職員は…
「本当に頼もしい。自分から動きたいから来ているというのが顔つきや態度でわかる」また、地域の飲食店で働く人も「若い子たちが頑張っているから私も一緒に頑張らないと」と話す。自分たちの手で無事イベントをやり遂げた生徒たち。
前生徒会長の川畑さんは…
「学校は“今まであったものを楽しむ”という印象が強かった。校則がなくなって自分たちで自由に変えられるようになって“自由”が自分たちから積極的に行動することにつながった」と話した。
※詳しくは動画をご覧ください。(2023年12月15日放送「news every.」より)