【特集】30年にわたりクマを観察・撮影してきた秋田市の男性 今思うクマの生態の変化や人間との共生
長年、クマを撮影し続けてきた秋田市の男性が、県内の芸術家の功績をたたえる『県芸術選奨』の特別賞に選ばれました。
30年にわたる観察と撮影を通じて感じたクマの変化や人間との共生について話を伺いました。
ブナの枝に座りのんびりと食事をするクマ。
木の幹から顔を出してこちらの様子をうかがっているクマ。
アスファルトの歩道を歩いて好物のクワの木に向かう親子グマ。撮影場所は全て秋田市内です。
加藤明見さん
「三脚を構えて待っていたら左側から子が後ろで3頭出てきたんです。それで私をちらっと見て、そのまま歩いてゆっくり行きましたから」「自分で好きな写真の一枚ですね」
約30年の間クマの写真を撮り続けている秋田市の加藤明見さん。
撮り続けてきた膨大なクマの写真から選りすぐった8点がいま、秋田市の県立図書館に展示されています。
加藤さん
「子(グマ)が暴れるので頭のほうに来るわけです。そうすると重いじゃないですか、親が沈んでいくんです。溺れそうになって」「めったにない たまたま偶然。ものすごい大騒ぎでした!」
写真集の出版や展示会を通じてクマの生態の変化も写し出してきた加藤さん。長年の功績がたたえられ、県芸術選奨の特別賞=「ぶるさと文化賞」に選ばれました。
加藤さん
「クマの撮影は決して容易ではありませんでした。山を歩き彼らの食べ物や行動を観察する中で、少しづつその姿を捉えるようになりました」
警戒心が強く、人が近づくと隠れたり逃げたりすることが多いクマ。加藤さんは経験を積んで次第にその姿を捉えられるようになりました。しかし10年ほど前から人の生活圏でも頻繁にクマを見かけるようになり、近年、急激にクマの行動が変わりつつあると感じています。
加藤明見さん
「(おととしの大量出没は)人里にどんどん出てきたので、これは私からするともしかしたら100年に1度あるかないかの状態じゃないかと思って見ていました」「大切な生き物であることは違いないと思います。ただ人に被害を与えるような状態はやっぱり困る」
加藤さんは人が襲われる被害を未然に防ぐためにもっと人がクマのことを知ることが重要だと考えています。
加藤さんが撮影したクマの写真は秋田市の県立図書館に2月18日まで展示されます。また八郎潟町のはちパルでは27日まで加藤さんの写真の展示会が開かれています。