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潮干狩り禁止地区で相次ぐ密漁、ドローンで“密漁者らしき”2人組を空から追跡

2024年5月1日 20:17
潮干狩り禁止地区で相次ぐ密漁、ドローンで“密漁者らしき”2人組を空から追跡

GWに多くの人が詰めかける潮干狩り。一方、三重県松阪市では、貝を捕るのが禁止されている場所にも関わらず、“密漁者”とみられる2人組が。中京テレビ「キャッチ!」のカメラがその後を追いました。

多発するアサリやハマグリなどの密漁

去年5月、三重県松阪市の海岸。潮干狩りの禁止地区でありながら、毎年後を絶たないのが、アサリやハマグリなどの密漁。「松阪漁協 採貝部会」部会長の石川聡さんは、「産卵時期は絶対に採らない場所を作るなど、いろいろな取り組みをしている。そういうなかでの“密漁”は、腹立たしい気持ちしかないですね」と話します。

密漁を防ぐため、漁師たちは広い干潟を徒歩でパトロール。すると、潮干狩りをする2人組を発見。大阪から来たという2人組は取った貝を見せながら、「たったこんだけやん。堪忍してーな…。これだけ持って帰らせてや。遠いとこから来てんのに」と石川さんに話します。しぶしぶ、貝を戻した二人組。“たったこれだけ”でも、漁師にとっては死活問題なのです。

貝の密漁らしき行動をする2人組を追跡

多発する密漁。漁師たちの期待を背負って導入されたものが、空から密漁を監視するドローンです。しばらく空から監視を続けると、川の河口でしゃがみ込む男性を発見。地面を掘っているように見えます。

ドローンの存在に気づくと、バケツを持って移動を始めました。近くにはもう一人、帽子をかぶった男性の姿が。手には、熊手のようなものを持っています。

さらに追跡すると、何かが入ったネットを運んでいる姿を確認。ドローンを通して、「ここは禁漁区です。貝をとられている方、ただちに貝を戻してください」と警告しますが、ネットの中身は残ったままのよう。「松阪漁協」の友岡将司さんは、男性の姿を見つめながら、「後ろ帽子かぶってる人の方が、多分バケツの中に(貝が)入ってるんじゃないか」と話します。

そのまま貝を持ち帰れば、「漁業法違反」として、100万円以下の罰金が科されることもある犯罪です。2人の男性が対岸の陸に上がってきた連絡を受け、現場へ向かう友岡さん。帽子の男性とすれ違う瞬間、バケツの中を確認しましたが、持っていたはずのネットや貝はありませんでした。

どこかに貝を隠していないか、手分けして捜索に当たる友岡さんたち。ドローンの映像を参考しながら、藪のなかまで捜索します。足跡を辿り、違法に採取された貝隠されていないか探しましたが、結局貝は見つかりませんでした。

帽子の男性ら2人は海上保安部に対し、「貝を放流した」と説明。2人は結局、おとがめなしとなりました。

県内ほかの地区でもドローン導入を検討

貝は見つからなかったものの、関係者はドローンの効果に手応えを感じていました。友岡さんはドローン導入について、「カメラでズームで照準を合わせて見ると、採っている行為が明確にわかる。活用することによって、大分そういう(密漁)行為は減るのかな」と語ります。

潮干狩り禁止地区で、後を絶たない貝の密漁。三重県漁連は、県内のほかの地区でもドローンの導入を進めるそうです。

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