イルカとのスキンシップで「気分向上!?」 同朋大が南知多ビーチランドで実験 唾液の分泌量などで検証
南知多ビーチランド(愛知・美浜町)で行われた実験の結果によると、人の気分を向上させる効果が認められたということです。
実験は、昨年10月から11月にかけて約20人の学生に対して実施されました。イルカと触れ合った後、その時の気分を回答する主観的な精神状態についてのアンケートのほか、唾液の分析を行う内容です。
アンケートの結果によると、多くの学生たちに「楽しくなった」「快い気持ちになった」などの心理状態の向上が見られたといいます。
一方で、唾液の分析では「アミラーゼ」の分泌量の変化が見られました。アミラーゼは、心身が高揚し活発になっているときの交感神経の働きで分泌が増加する消化酵素です。川乗准教授が調べたところ、アンケートの回答で「不安になりやすい」傾向が見られた学生は、分泌量が減ったそうです。そうではなかった学生は分泌量が増えたということです。
この結果から、不安傾向が見られる学生は癒やされてリラックスした心理状態となり、そうではなかった学生はテンションが上がった、刺激を受けたという心理状態になった、と川乗准教授はいいます。加えて、いずれの場合も「気分が向上した」と言えると説明しました。
川乗准教授はメンタルヘルスについて、「心理状態がいったん悪化すると、悪化の再発リスクが増えて治療に時間を要します」と指摘します。その上で「気軽に訪れてイルカと触れ合うことを、気晴らしのひとつとしてみても心理状態に良い影響を与えるのではないでしょうか」と呼びかけています。