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「災害時にも障がい者の視点を忘れないでほしい」 消防クリエイターと高校の美術部が絵本を制作 障がい者の災害避難を考えるきっかけに…

2025年1月21日 19:43
「災害時にも障がい者の視点を忘れないでほしい」 消防クリエイターと高校の美術部が絵本を制作 障がい者の災害避難を考えるきっかけに…
絵本「走れ!キーウィくん! 森に虹がかかるまで」(提供:TASCぎふ)

災害時にも障がい者の視点を忘れないでほしい。そんな思いを伝えるために、消防クリエイターとして活動する伊藤龍一さんと大垣東高校の美術部が、絵本「走れ!キーウィくん! 森に虹がかかるまで」を制作しました。

物語の主人公は、郵便配達員として働く飛べない鳥のキーウィくん。ある日、キーウィくんが森で配達をしていると火事が起き、さまざまな特性を持った動物たちが助け合いながら避難するストーリーとなっています。

絵本の制作を開始したのは2023年5月。TASCぎふ(岐阜県障がい者芸術文化支援センター)が実施する、高校生と障がい者との交流会活動「こたえのない学校」のプロジェクトとして動き出し、伊藤さんと高校生が話し合いを重ねながら完成させました。

原案を担当した消防クリエイターの伊藤さんは、「誰一人取り残されない社会を築き上げる」をテーマに、消防署での講演や本の出版、レゴブロックで制作した消防車を展示するなどの活動を行っています。“消防クリエイター”は伊藤さんが作った言葉。伊藤さん自身も脳性まひによる言語障害があるため、高校生との意見交換はパソコンに打ち込んだ文字を音声ソフトで読み上げて行われました。

伊藤さんのアイデアを形にしたのは、大垣東高校の美術部17人。展覧会で多くの受賞歴があり、ボランティア活動にも積極的に取り組む同校の美術部が、伊藤さんの思いもくみ取りつつ「誰のための何を伝える絵本にするのか」を考え抜いて、ストーリーとイラストを描き上げました。

絵本制作に参加した高校生は「障がいのある方とどう共生していくべきかを、今までとは異なった視点で考えるようになりました」「“皆で助け合う”ということをつたえられたら」と感想を述べました。

TASCぎふの担当者によると、絵本は50部発行し、消防署や保育園への配布、図書館での貸し出しなどを検討しているということです。ぎふ清流文化プラザ1Fの文化芸術県民ギャラリーでは、絵本の制作過程や完成した絵本を展示したコラボ展「消防クリエイターと美術部の絵本づくり」が2月24日まで開催されています。

最終更新日:2025年1月21日 19:43
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