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混みすぎ危険で苦渋の決断…「春日井市民納涼まつり」の花火大会が中止に 代わりは夜空に浮かぶランタン300個!? 愛知・春日井市

2024年6月25日 11:13
混みすぎ危険で苦渋の決断…「春日井市民納涼まつり」の花火大会が中止に 代わりは夜空に浮かぶランタン300個!? 愛知・春日井市
「春日井市民納涼まつり」の花火(春日井市の公式YouTubeチャンネルより)
もうすぐ花火の季節。全国各地で花火大会が予定されていますが、そんな中、愛知県春日井市の夏の風物詩「春日井市民納涼まつり」の花火大会は中止が発表されました。大迫力の花火が近くで見えるとあって、去年は20万人近くが訪れた歴史ある花火大会。開催断念の理由は何だったのでしょうか…?

50年の歴史がある花火大会 隙間がないほどの雑踏で危険性を再認識

長年地元で親しまれてきた「春日井市民納涼まつり」。春日井市に住む浦下さん親子は、納涼まつりの名物である花火を一眼レフで撮影。毎年のように家族で花火の撮影を楽しんでいたといいます。

浦下幸美さん:
「春日井の花火って、打ち上げるところと観客との距離が近い。ちょっとでも近くにいたいという気持ちで、できるだけ前の方でいつも見ています」

そんな思い出の花火大会が思わぬ事態に。今年7月に行われる納涼まつりでは、花火大会を行わないというのです。春日井市民からは「毎年なきゃいかん存在です」「花火がなくなったということで、今年はちょっと(行くのは)控えようかな」など、惜しむ声が続々と上がっています。

1977年に始まった花火大会。約50年にわたる歴史が、なぜ途絶えてしまうのでしょうか。市の担当者に理由を聞いてみました。

春日井市 市民生活課 川島浩資課長:
「雑踏の中で人に押されて転んでけがをしてしまったなど、もうちょっとで重大な事故につながるという案件が何件かありました」

市が危機感を持ち始めたのは、おととしのこと。韓国・梨泰院(イテウォン)で起きた群衆雪崩による死亡事故がきっかけでした。

そこで去年、納涼まつりの会場に定点カメラを設置して調査。コロナ禍が明けたことで過去最高の18万2000人が来場し、カメラには隙間がないほどの雑踏が映っていました。

市は、危険性を再認識したとして、中止に踏み切ったのです。

約5000発の花火の代わりは…夜空に浮かぶランタン300個!?

花火大会の中止を惜しむ声が上がる中、市は、花火大会の代わりとなるイベントの実施を決めました。その名も「スカイランタン・フェスティバル」。

スカイランタンⓇとは、LEDがついたランタンをヘリウムガスで膨らませて空に浮かべる、熱気球を模したもの。ヒモをつないで浮かべるのですが、ヒモが外れないような構造になっているので、どこかに飛んでいくという心配もなく、環境にも配慮されています。

今年の「春日井市民納涼まつり」では、参加者が願いごとを書いた300個のスカイランタンを夜空に浮かべる予定。参加者は事前申し込み制にしたところ、3時間ほどでチケットが完売したそうです。チケットを持っていなくても観覧は可能ですが、今年の来場者数はどうなるのでしょうか…。

春日井市 市民生活課 川島浩資課長:
「花火大会は市外からも多く来ていたので、(今年は)去年ほどの危険な雑踏は発生しないのではないかなと予想しております」

スカイランタン・フェスティバルは予算100万円でランタン300個。去年の花火大会は、予算800万円で4000発~5000発の花火を打ち上げたので、規模はかなり縮小されます。

毎年の花火を楽しみにしていた浦下さんは…。

浦下幸美さん:
「春日井市民としては、どうなっていくか気になるので、予定を空けて(今年のまつりに)行きたいなとは思ってます」

「春日井市民納涼まつり」は、7月20日(土)に開催されますが、今回使われるスカイランタンは試験的な実施で、来年度以降どうするのかは今後検討していくということです。

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