40年前のタイムカプセル開封 中には当時の小学生の作文 その内容に思わず“冷や汗”も
今月14日、東京・あきる野市で、40年前に埋められたタイムカプセルが掘り起こされた。中に入っているのは当時の小学4年生が書いた作文。書いたことすら記憶がないという男性は、自分で書いたその内容に思わず冷や汗。
また、亡くなった娘の代わりに作文を取りに来たという男性は、家族で遊んだ当時の思い出に目頭を熱くしていた。
■500円硬貨発行の年
タイムカプセルが埋められたのは1982年、合併で市の名前があきる野市になる前の「秋川市」のころ。第一次中曽根内閣が発足し、500円硬貨の発行やテレホンカードの発売が始まった年だ。秋川市ができて10周年の記念事業の1つとして、市と同い年の当時10歳になる小学生たちが中に作文を入れた。
現在、千葉県に住む横山さんもその一人。横山さんは、参加した児童を代表してカプセルに作文を入れたが、作文を書いたことは覚えていないそう。
「本当におとなしくて普通にいる子だったと思います」そう話す横山さん。現在は2人の娘の父親で、二女のあいちゃんは当時の自分と同じ10歳だ。
「このタイミング(での開封)は本当に偶然なんですけど、ちょっと感慨深いところもあります」
ただ、「子供に堂々と見せられる文章であるかどうかは、ちょっと心配」だそう…。
■予想外の内容に“冷や汗”
そして、迎えた開封の日。大勢の参加者に見守られ、土の中から銀色のタイムカプセルが姿をみせる。
いよいよ、横山さんも40年前に書いた作文と“再会”する時がやってきた。作文のテーマは「秋川市の未来」。しかし横山さんが書いていたのは…
「1999年に地球が滅亡するというウワサが流れているっていう内容(横山さん)」
まさかの展開に!
開封前の懸念が現実のものとなってしまった横山さん。二女・あいちゃんの前で、思わず冷や汗…。あいちゃんからも「本当に4年生で書いた?」と聞かれてしまい、「当時にかえって ちゃんと書けって言いたいです」と苦笑いする横山さんだった。
■亡くなった娘の作文
この日会場には、50歳前後の参加者に交じり、1人の高齢男性の姿もあった。杉山十九三さん、78歳。去年5月に亡くなった、娘の美貴さんが書いた作文を受け取りにきたのだ。
「(美貴さんは)友達はいっぱいいましたよ。誰にでも好かれていた子でね」
作文は隣の市に住んでいる、美貴さんの夫と息子の元へ届けるそう。
■よみがえる家族の思い出
そして、美貴さんの作文を受け取った杉山さん。そこには、当時4年生だった美貴さんの願いが綴られていた。
「40年後の秋川市どのくらいかわっているかな?(中略)自然が少なくなっているかな、それとも多くなっているかな?」
「自然がいっぱいの方がいい」
「カプセル開く時、どんな気持ちだろう」
美貴さんは40年後の未来に、家族でたくさん遊んだ秋川の自然を残してほしいと書いていたのだ。
40年前の娘の思いに触れた杉山さん。
「よく遊びに行ったからね、家族でね」
「もう本当に涙がでちゃいそう。胸がいっぱいで涙がでちゃう。本人はもういないけど、(仏壇に作文を)あげてあげないとね」
40年前の子どもたちの思いは、過去から現在、そして未来へとつながっていく。
※詳しくは動画をご覧ください。(2022年5月30日放送「news every.」より)