難病を超えて覚悟の挑戦! 東海道五十三次を歩く旅へ・後編
1か月かけて東京から京都まで東海道五十三次をたった一人で歩くという男性。埼玉県に住む和田義治さん(51)。見た目は至って健康そうなのだが、利き手の左手がほとんど動かない。実は体が徐々に動かなくなる難病を患っている。病名はALS、筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)である。
担当の医師によると「ALSは脳から体の全体に動かす命令を出す神経がやられる病気」で筋肉がだんだんやせていき、やがて体を動かすことも難しくなるという。具体的な原因は分からず、明確な治療法も見つかっていない。
今回の「東海道踏破」の挑戦を考えた理由について、「自分の手足が徐々に不自由になっていくが今なら歩けるからチャレンジする」と決意を語ってくれた。そしてもう一つ、「歩くことで自分と同じ難病に苦しむ人に勇気を届けたい」との思いもあった。
だから今回のチャレンジは毎日SNSで伝えることにしている。歩く目標は1日25キロほど。1か月で約490キロを踏破し京都到着を目指す。
11日目。静岡県浜松まで辿り着くとホテルには、姉からの荷物が届いていた。旅を応援してくれている一人で、一番心配している。その荷物には「良い旅が続きますように」と心がこもったメモが添えられていて、中には 弟の身体を気遣う品が詰められていた。
二人きりのきょうだいの姉。最初は旅に反対していたが今では心の支えになってくれている。「ずっと感謝ですね」和田さんは旅の宿でそうつぶやいた。
旅の途中に東海道から寄り道したのが、伊勢神宮だ。「伊勢神宮も行ったことなかったのでこの機会に行けたらいいな」 としばしお伊勢参り。その時、和田さんは意外な言葉を口にした。旅することで心境に変化が訪れたようだ。
さらに歴史的な建物が残るかつての宿場町で、同じ宿泊客と語らいの時間を持つなど旅は進んでいく。そして最後の難所、三重県鈴鹿峠に足を踏み入れた。急な山道が続くなか「自分の頑張る姿で勇気を届けたい」とこまめにSNSに写真をアップしていく。
和田さんには、この1か月近い旅をする間に最初はなかった「ある思い」が芽生えていた。そしてついにゴールの三条大橋へ。難病を超えて東海道五十三次に挑んだ末に、和田さんの心に浮かんだものとは…。
※詳しくは動画をご覧ください。(1月6日放送『news every.』より)