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ひきこもりから社会復帰の鍵は…“VTuber”と“駄菓子屋”!?自治体が取り組むユニークなひきこもり支援とは?

2024年5月31日 12:28
ひきこもりから社会復帰の鍵は…“VTuber”と“駄菓子屋”!?自治体が取り組むユニークなひきこもり支援とは?

内閣府の調査によると、現在、全国でひきこもっている人の数は、約50人に1人いるとされています。こうした中、ひきこもりから抜け出すために、独自で支援を行っている自治体を、ラルフ鈴木アナウンサーが取材してきました。

 ◇◇◇

ラルフアナがまず訪れたのは、東京都内にあるスタジオ。ひきこもりに対する支援と、どのような関係があるのでしょうか?そこで、お話をうかがったのは…

ラルフ鈴木アナウンサー
「今日はよろしくお願いします」

つきみさん だんごさん
「よろしくお願いします」

なんとVTuberの方々!今回は二次元の方たちを取材しました。つきみさんとだんごさんは、普段、女子高生として何気ない雑談の様子をYouTubeで配信しています。

実は、墨田区が始めたひきこもり支援というのが、こちらの二人と行う動画配信なのです。その内容は…

つきみさん
「私のひきこもり時代の体験談を中心に、2人でゆるくお話しています」

いじめが原因で、引きこもったという、つきみさんの体験談を配信していました。墨田区がひきこもりから脱却するための支援として、VTuberを選んだ理由とは。

墨田区 福祉保健部厚生課 佐野 茂樹さん
「ひきこもりの方がこう思っているよ、こんなことが嫌なんだよ、皆さんが(動画を)見ることで、ひきこもりの方が生きやすい社会になるといいなと思っています」

VTuberの二人を、ひきこもりの方たちとその家族が、社会と関わりを持つための橋渡し役になって欲しいと言います。そして動画では、ひきこもっていた頃の心境を話していました。

つきみさん
「こっちもさ、罪悪感ないわけではないのよ」

だんごさん
「なるほどね」

つきみさん
「でも、とにかくしんどいからこもってんの。悩んでもこもらなくてすむ人には、これは絶対理解できない」

そんなつきみさんの、転機となったこととは。

ラルフ鈴木アナウンサー
「一方で(ひきこもりから)抜け出すこともできたんですよね」

つきみさん
「私の場合は、何も言わずに話を聞いてくれる人に出会えたことが大きかったです」

ありのままの自分を、受け止めてくれる人との出会い。それが、ひきこもりから抜け出すきっかけだったと言います。

つきみさん
「ぜひチャンネルを見てほっこりしてくれたらうれしいです。コメントでも相談できるのでよかったら活用してみてください」

墨田区とのコラボ動画は、2024年8月までに、21話配信する予定です。

こうした自治体によるひきこもりへの支援は、全国に広がっていました。

神奈川県では、インターネット上のメタバースを活用し、ひきこもりの方たちとの交流や就職の手助けとなるイベントを開催。また、長崎県ではひきこもりの方たちなどが、気軽に相談できる場所として、カフェをオープンしました。

一方、江戸川区では、去年2月から、ひきこもりの方の社会復帰に向けた、ある支援を始めていました。

ラルフ鈴木アナウンサー
「駄菓子屋にやってきました。実はこちらひきこもり支援と関係があるそうなんです」

一見、普通の駄菓子屋のこちら。どんな支援をしているのでしょうか?

江戸川区 福祉部生活援護管理課課長 髙橋徹成さん
「就労、働く体験がしてみたい。そういう意見があった」

江戸川区では、ひきこもりから抜け出し、社会へ復帰して働けるように、仕事の研修をする場を設けていました。商品の発注からレジの対応、接客など、様々な仕事ができるように、支援しています。勤務時間も、初めは15分から、慣れてきたら1日3時間の労働。6か月間働くことができ、現在までに7人が経験。そのうち2人が、就職して新しい道を歩んでいます。

江戸川区 駄菓子屋居場所よりみち屋 店長 石川玲子さん
「実際に就職された後に、就職先でこんな立場でこんな仕事をして収入が上がったよ。いろんなお話を聞かせていただくのが、私たちのやりがいでもあります」

就職後も前に進んでいる様子を、報告してくれることがうれしいそうです。

江戸川区 駄菓子屋居場所よりみち屋 店長 石川玲子さん
「社会に踏み出す第一歩として、私たちは背中を押していけたらいいなと思っております」