「旅の目的地になる宿に」度重なる地震を乗り越え…相馬市松川浦の旅館が再スタート・福島県
2年前の大地震で被災した相馬市松川浦の旅館が8月8日、浜焼き体験もできる施設として再スタートを切ります。度重なる地震などを乗り越えて地元の魅力を発信します。
松川浦で取れた「カレイ」や「マダイ」などを串にさして炭火で焼く相馬名物の「浜焼き」です。相馬市の松川浦では、週末になると、おいしそうな海の幸を目当てに、県外からも観光客がやってきます。
■茨城県から訪れた人は
「すごい新鮮で身もしっかりしていて、めちゃくちゃおいしいです」
■山形県から訪れた人は
「海産物を食べる機会が多いが、日本海、庄内浜とは獲れるものが違うし、食べ方も違うので美味しいと思った」
松川浦の浜焼きは、東日本大震災の後、一度、途切れましたが、地域を盛り上げようと3年ほど前に旅館の若旦那らが復活させました。松川浦の旅館の一つ、「いさみや」の4代目、管野功さんも、その一人です。週末、旅館の駐車場で浜焼きの販売をしていますが、実はここ2年ほど、本業である旅館は休業しています。
「やっと観光客も戻ってきたなという時の地震だったので、やっと乗り切ってきた試練をまた違う形の試練がきたなと思って」
最大震度6強を観測した2年前の福島県沖地震で、県内の建物の被害は3万9千棟あまりに上り、いさみやも大規模半壊となりました。2011年の地震と津波、さらには新型コロナなど、度重なる困難を乗り越えてきましたが、旅館は取り壊しを余儀なくされました。
苦しい状況に心が折れかかっていた管野さんですが、「浜焼き」を販売する中で、寄せられた応援の声に支えられ、旅館の再建を決意します。
■いさみや4代目 管野功さん
「頑張ってね、泊まりにくるからね、とか声をもらうとやっぱり力が湧いてくる」
前の旅館があった場所から数十メートルのほど場所に新たな旅館を作った管野さん。
■いさみや4代目 管野功さん
「これは浜焼きをここで焼いてこっちで食べてもらうスペース」
旅館に併設した「浜焼き小屋」で、泊まった人に名物の浜焼きを体験してもらいます。
■いさみや4代目 管野 功さん
「一番の理想は松川浦のいさみやに行ってあの若旦那にあって、あの体験をしたいって旅の目的地になるような宿にしたい」
新たな屋号は「遊び」と「学び」を合わせた「遊学の宿 いさみや」。浜焼きをはじめ、松川浦の魅力を県内外に発信する旅館として、8月8日、新たなスタートを切ります。