【異変】クリスマスケーキに物価高や猛暑の影響 カカオ豆の記録的不作でチョコの価格が1.7倍に イチゴは生育に遅れ 福岡
クリスマスまで1か月を切りました。クリスマスに欠かせないのがケーキですが、ここにも物価高や、ことしの猛暑の影響が出ていました。
27日、福岡市博多区のケーキ店を訪ねました。ショーケースには、チョコレートケーキやチーズケーキなど、およそ30種類が並んでいます。
■吉村史織アナウンサー
「こちらの店では、すでにクリスマスケーキの予約が始まっています。注文用のチラシには、色鮮やかなクリスマスケーキが並んでいます。」
この店では10月22日から、クリスマスケーキの予約が始まりました。作り始めるのはこれからですが、今、頭を悩ませているのが材料の価格です。
■ラ・ヴィ・アン・ローズ オーナーシェフ・小田信也さん
「小麦粉、砂糖、卵、フルーツ、チョコレート、全部上がっています。上がっていないものは、ほぼないですね。」
輸送コストの上昇や円安の影響で、生クリームやバター、卵など、ケーキの材料の価格が軒並み、上がっています。中でもチョコレートはカカオ豆の記録的な不作で、1キロ1700円程度だった仕入れ価格が、ことし9月以降は1.7倍の2900円に上がりました。
■小田さん
「これ以上はもう、作ってもマイナスになっていく状況です。チョコレート商品(の予約)はストップが早いかもしれません。」
この店では、これまで販売していた直径12センチや15センチのクリスマスケーキに加え、ことし新たに直径9センチの小さいサイズの販売を始めました。
■小田さん
「お客様から『1人分、2人分のサイズで、もっと小さいものはないか』と。12センチの価格帯より少し安く買えるものも作ってみました。」
ケーキに欠かせないイチゴにも、異変が起きていました。福岡県広川町のイチゴ生産者を訪ねました。
■石川農園・石川雄一さん
「暑さの影響で花が咲いていないところも、ちらほら。これは花が全然できていない状況です。」
ことし9月に苗を植えて、本来であれば今の時期に収穫を迎えますが、夏の記録的な猛暑の影響で、実がなるどころか、花が咲いていない状態のものもありました。
■石川さん
「こういった実がちょっと遅いなと。これぐらいになってほしいのですが。」
成長が遅く花が咲いていないものは、年内に収穫するのが難しく、クリスマスに向けて十分な量が出荷できない可能性もあるといいます。
■吉原美樹記者
「暑さの影響で、この時期になっても虫に葉っぱや実を食べられる被害が続いています。」
暑さによる生育の遅れと虫の発生で、収穫量は例年に比べ1割ほど減っています。ただ、石川さんによりますと、今後寒くなってくるため、来年1・2月には収穫量は安定してくるということです。
■石川さん
「イチゴ栽培も結構難しくなってくるのかな。 例年ずっと気温は上がってきているので、そこに合わせた作り方・植え方をしないといけないのかなと思っています。」
クリスマスまでおよそ1か月。物価高や天候不順が続く中、年に一度のイベントを楽しんでほしいと、店や生産者は試行錯誤を続けています。