【飯塚事件】第2次再審請求の行方①新たな証拠「白い車に女の子2人が」 弁護団は何を訴えてきたのか 福岡
久間三千年 元死刑囚の妻が2回目の再審請求を申し立てたのは、3年前の2021年7月です。
■飯塚事件弁護団・德田靖之弁護士
「ささやかな根拠しか残っていない1審の死刑判決を、新たな証拠を武器にして崩していく。これが第2次再審請求ということになるのではないか。」
弁護団がこのとき示した「新たな証拠」。それは会見に出席した、この男性の目撃証言です。
■木村泰治さん
「おかっぱの女の子がうら寂しそうに見ていた。赤いランドセルを背負っていて、一人は寝てランドセルはシートに置いてあった。」
証言によりますと、男性は事件当日の午前、飯塚市の八木山バイパスを車で走行し、白い軽自動車とすれ違った際、幼い女の子2人が後部座席に乗っているのを目撃しました。
■木村さん
「悲しそうな顔が一番印象に残っています。一瞬、誘拐でないかなと、でもまさか、2人も女の子を乗せとるから。」
運転していたのは丸刈りで色白の男。不審な白い軽自動車を目撃した日の夜、ニュースで女の子2人が行方不明になっていることを知った男性は、警察に通報しました。
それから4・5日後に捜査員が1人で事務所に来て、男性の話を手帳に書き留めていましたが、その後、警察から連絡はなかったといいます。
■木村さん
「全然違います。とにかく私が見たのは、もうちょっと色が白くて眼鏡をかけてなかった。年齢ももっと若い。30前後だったと思うですけどね。」
当時、男性から話を聞いたはずの警察官のメモなどを証拠にするため、開示を求めていくことが弁護団の方針です。しかし、本当にその男が事件に関係しているかは不明で、証拠としては弱いという指摘もありました。
■德田弁護士
「本当に木村さんが見たのは犯人であり被害者であったのかということに関しては、それこそいろんな状況証拠、被害者の写真と当時見た時の表情が一致しているかとか、状況証拠でやっていくしかないだろう。」
そう話していた弁護団。しかし、この時はまだ第2次再審の大きな争点となるもうひとつの「新たな証言」を公表していませんでした。
死刑執行後の元死刑囚の再審が認められた例は過去にありません。次回は「もうひとつの新証言」についてお伝えします。