【体験】生まれて初めての公衆電話「受話器はどこにあてる?」小学生が使い方を学ぶ 災害時に備え 福岡
最近は利用する機会が減った公衆電話ですが、「災害に強い」という特徴があります。佐賀県伊万里市で7日、小学生を対象にした「使い方教室」が開かれました。生まれて初めての公衆電話に、戸惑いの声も上がっていました。
■中村安里アナウンサー
「ありました、公衆電話です。天神の中心部に設置されています。道路を挟んだ向かい側にも、公衆電話のマークが見えます。」
福岡市内でも、よく見ると、いたるところにある公衆電話。使ったことがあるか聞きました。
■街の人
「ないです。小学校からスマホを持っているので使うことはないですね。」
「(使い方は)分からないです。」
携帯電話が普及する前は、行列ができることもあった公衆電話。総務省によりますと、1990年度には全国で83万台余り設置されていましたが、2023年度はおよそ11万台にまで減っています。
■街の人
「探すのが大変やもんね、今ね。私たちの年齢でも携帯を持っていないと連絡がつかない。」
「最後?小学校とかなので、もう20年前ですね。」
存在感が薄れつつある公衆電話ですが、佐賀県伊万里市の大坪小学校では、小学6年の児童およそ70人が公衆電話の使い方を学んでいました。
■小学6年生
「受話器ってどこにあてる?」
■講師
「まず、受話器をとってから押す。お金落ちたろ。」
NTT東日本が行った調査では「公衆電話を使ったことがない」と答えた小学生は、85パーセントに上りました。なぜ今、公衆電話の使い方を学んでいるのでしょうか。
■日本公衆電話会・番場義昭さん
「災害は国内だけでなく世界中ですから。日頃から知っておいたほうがいいと思い計画をしました。」
災害時、公衆電話は携帯電話よりも優先的につながります。また、停電になっても硬貨を使えば利用できるという強みがあります。
“災害時に強い公衆電話”の使い方を知ってもらおうと、この教室が企画されました。
生まれて初めて公衆電話を使うという子どもたち。うまく電話がかからず、困惑する場面も見られました。
■小学6年生
「最初に受話器をとってから10円玉を入れるのは知らなかったので、びっくりしました。(受話器が)ちょっと重かったけど、慣れると楽しい感じでした。」
子どもたちは、災害時の安否確認システム「災害用伝言ダイヤル」を使う練習もしました。
■吉村史織アナウンサー
「災害用伝言ダイヤル171で録音できるのは30秒間ということで、どんな内容を話せばいいのか書かれてあります。」
「災害用伝言ダイヤル」では、電話番号を指定してメッセージを録音すると、家族などが再生して安否を確認できます。
■小学6年生
「大坪小学校に避難しています。安心してください。」
子どもたちは、簡潔に伝言内容を伝えることや、入力する電話番号をあらかじめ家族と決めておくことを学びました。
■小学6年生
「(電話番号は)分からないので、家に帰ったらメモします。災害時は焦りそうだけど、落ち着いてやっていこうと思います。」
NTT西日本のホームページでは、公衆電話の設置場所を調べることができます。家の周りの公衆電話の場所を確認しておくことが、もしもの時への備えになります。