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街が踊り天国と化した徳島市の阿波おどり その熱狂とともに様々な出来事を振り返る【徳島】

2024年8月16日 22:08
街が踊り天国と化した徳島市の阿波おどり その熱狂とともに様々な出来事を振り返る【徳島】
8月15日、街が踊り天国と化した徳島市の阿波おどりが閉幕しました。

暑さや地震への注意、5年ぶりの紺屋町演舞場設置、そして亡きあの人への思い...2024年の阿波踊りを振り返ります。


開幕目前に突如訪れた地震への恐怖


阿波踊り開幕目前の8月8日、突如訪れた地震への恐怖、南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」。

初めて発表された耳慣れぬ情報に、阿波踊りも翻弄されました。

(一楽泰志記者)
「今年の阿波踊りは、例年より1日早い11日が開幕です。会場には地震による避難誘導図などが設置されています」

踊り子や観客、運営も不安を抱えての開幕でした。

(観客)
「怖いかなと思いつつも、阿波踊りが見たいのが勝ってしまって」
「正直怖い。でも正しく恐れるとよく言うじゃないですか。いろいろ対策しながら今を楽しむ」

桟敷での踊りが始まる8月12日。

(小喜多雅明記者)
「桟敷席の裏側には、このように避難経路を示した地図が示されています。例えば、城山であるとか、眉山周辺近くのアミコビルやホテルクレメント徳島が避難先として示されています」

(東京から)
「津波情報とか、徳島はどれぐらい来るのか心構えして来た。ここまで準備してくれていると安心」

(場内アナウンス)
「地震が発生した場合は、身を低くして安全の確保をお願いいたします」


演舞場開幕で盛り上がりは一気に最高潮へ


8月12日午後6時、演舞場開幕。

祭りが始まれば、自然と手足が動き出す。

街は賑やかなぞめきのリズムに包まれ、盛り上がりは一気に最高潮へ。

2024年、こんなときならではの連も登場しました。

その名も「ひなんくん連」。

(徳島ひなんくん連 青木正繁連長)
「防災士の仲間が集まり、しっかりと防災の啓発をしていきたい」

「同じ阿呆なら逃げなきゃソンソン」

演舞場内でも、防災を呼びかけました。

「踊る阿呆に見る阿呆」

地震への備えをしながらも、街にはいつもの光景が広がりました。

(客)
「最高です」
「徳島に活気が戻って、めっちゃうれしい」

(徳島市民)
「いつもより人が多い、すごい熱気」

(オーストラリア出身)
「これから毎年来ようと思っています」

(インドネシア出身)
「楽しい」


戻ってきたもの


そして、久しぶりに戻ってきたものも。

(小玉晋平アナウンサー)
「私たちがいる紺屋町の演舞場は、コロナ禍を経て5年ぶりに復帰しました」

(野口七海アナウンサー)
「街中に近いだけあって、本当にお客さん多いですよね」

人出が戻り、近隣のお店も。

(出店の人)
「暑いからめっちゃいろいろ売れる。踊り子さんもすごいいっぱい来てくれる」

(本家大名連 清水理連長)
「皆の者踊れ、無礼講を許すぞ。楽しむのじゃ」

本家大名連は2年ぶりの桟敷で大ハッスル。


阿波踊りへの思い...亡きあの人への思い...


踊りを海外に広めようという動きも。

達粋連にはモンゴルの女性舞踊家2人が参加しました。

(駐日モンゴル国大使館 アルザフグイ・デルゲルマー公使)
「モンゴルではこうやってみんなでひとつのチームになって踊る習慣がないので、これをきっかけに新しい文化が、日本の文化がモンゴルの文化としてモンゴルで広がってほしいと思ってます」

「おぼんやけんもんておいでよー」
「おとうもんてこーい」

お盆に捧げるは鎮魂の舞い。

毎年、新町橋のたもとでビートを響かせ道行く人たちを熱狂の渦に巻き込んできた「新町橋よいよい囃子」。

リーダーの柳町春雨こと高木稔さんが2024年5月に他界しました。

(新町橋よいよい囃子 故柳町春雨さん)
「(阿波踊りの魅力は)やったらわかる。おもっしょうておれんのよ」

(ポールさん)
「50周年の節目に、我らがボス柳町春雨は天国へ旅立っていきました。でもハルさんはその辺りで、きっとみんなとお酒を飲みながら、楽しそうに踊っているはずです」

「踊る阿保に見る阿保!同じ阿保なら踊らにゃ損々!」

「生きていることを本当に楽しめる場所がここ。それを教えてくれたのが春雨さん」

トレードマークはこの「ゑびす顔」。

ゑびす連を長年引っ張ってきた鶴瀬幸子元連長は2024年2月に他界しました。

祖母の踊りを見て育った孫の大典さん、天国の祖母に踊りを捧げました。

(ゑびす連 鶴瀬大典さん)
「まだまだ僕の踊りも未熟なので、天国で見ながら、あーせいこうせい言っていると思う。お客さんの笑顔も見てもらっていると思うので、満足してくれているのでは」


熱狂の中で過ごした5日間


好天にも恵まれた2024年の阿波踊り。

平日となった後半には客足にも陰りが見えましたが、それでも...。

(河野将明記者)
「阿波踊りは最終日を迎えました。踊り子も見物客も、祭りの終わりを惜しむかのように乱舞を繰り広げています」

(観客)
「最高、毎年来たい」
「来年は泊りで来たい」
「1年のご褒美」

(踊り子)
「コロナ明けて充分に踊れてなかった」
「やっぱり徳島の夏はこうじゃないと」
「みんなで全力で楽しめた」

最後の最後に豪雨に見舞われるも、熱狂の中で過ごした5日間。

飛び散る汗、弾ける笑顔、やっぱり阿波踊りが最高です!

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