野焼きで他の植物が焼き払われた今しか見られない 阿蘇でキスミレの花が見ごろ
野焼きは牧野の害虫を駆除し、新しい芽吹きを促すとされています。その野焼きから1か月、阿蘇を一望できる人気の観光スポット「大観峰」では今、青々とした草原ではなく、黒い台地が広がっています。そんな中、カメラマンが見かけたのは…。
■北迫新太郎カメラマン
「今、阿蘇市では野焼きの後に咲く黄色い小さな花が咲いています」
その花の名はキスミレ。野焼きが終わって3週間ほどたつと咲き始めます。鮮やかな黄色の花の大きさは直径1~2センチほど。日本がまだ大陸と地続きだった氷河期の頃に大陸から渡ってきた植物と考えられています。
大昔から阿蘇の草原で生き続けるキスミレ。ただ、他の草花が芽吹くと、草の丈の長い植物に覆われて光が当たらなくなり、枯れてしまいます。つまり、野焼きで他の草花が焼き払われることで、はじめて生息できる花です。4月中旬になると、他の草花が芽吹いでくるため、それまでが見ごろです。
キスミレの後はオキナグサやサクラソウ、ハルリンドウなどが次々と花を咲かせ、また青々とした阿蘇の草原に戻っていきます。