【水族館部】タコを愛する女子高生、卒業の日 生き物に情熱注いだ27人が学び舎を後に
今月1日、愛媛県内ほとんどの高校で卒業式が行われました。学び舎を巣立つおよそ1万1000人の卒業生には、生き物と共に3年間を過ごした長高水族館部の27人も。感謝と希望にあふれた、旅立ちの1日に密着しました。
卒業生代表 千葉県出身 田中日菜さん:
「長浜高校進学の選択は、家族にも影響があったのかもしれません。けれど、この学校にいたから経験できたことが、たくさんありました。 ここで高校生活を送れてよかったです」
県立長浜高校。今年度の卒業生は水族館部を目指す全国各地の生徒が増加した、最初の代です。卒業生51人中、27人が水族館部員。タコと共に青春を謳歌した前副部長の石丸夏実さんも、この春、学び舎を後にします。
石丸さん(当時1年生):
「ほんとに好きなんです、タコが。その子が好きなのでその子のためにタコ水槽を立ち上げてタコと仲良くなれるように頑張りたいと思います」
石丸さんは、入部してすぐ、長高水族館初のタコ水槽を誕生させました。タコを愛し続けて3年生になった、今年度は…
石丸さん:
「そのままそのまま。はい」
「やっと広い家に行けるね、よかったね」
タコもお引っ越しして、水族館部史上最大のミッションである、長高水族館の移転・リニューアルを成し遂げた春。
水族館のテラスでカフェを開き「一生忘れない」花火を目に焼き付けた夏。チーム・タコのメンバーで、タコ研究に明け暮れた秋。研究の成果を学会で発表して、国内のタコ研究の第一人者、憧れの教授からサインを貰えた冬。
かけがえのない思い出をくれたタコ。そして水族館部の仲間たちに、ありがとう。
大西寅ノ介部長(2年):
「練習通りに3年生をお出迎えしましょう!」
「いらっしゃいませ!本日は、ご卒業、おめでとうございます!」
卒業式の後は、水族館部の後輩手作りの卒部式です。
卒業生 丹生谷孟さん:
「この3年間部活のことしか頭になくて、まあ特に池のことなんですけど。たぶんこの3年間だと弟よりも(池の)顔を見ています」
卒業生 眞鍋春磨さん:
「待って。今涙の波が来てる。あぁもっとやりたい部活(涙)みんな、全然時間ないから、楽しんで全力で部活をやってください」
卒業生一人一人が水族館部に情熱を捧げた、3年間の高校生活。
石丸さん:
「私はタコの研究がしたくてこの学校に来て、なんとチーム・タコが結成されて、私はそんなものが結成されるとは思ってなくって、本当にこんな充実した日々を過ごせたのがとても嬉しいし、関わってくださった方々みんなに感謝しています。本当にありがとうございました」
(チーム・タコ寄せ書き)
石丸さん:
「うまい、かわいい。そんな悩まんでもいいのに」
後輩 與那嶺さん:
「悩みますよ。一生残るじゃん」
石丸さん:
「別に会った時に話せばいいやろ」
後輩 大西さん:
「会えなくなるかもじゃないですか!実際そうなりますよ!」
石丸さん:
「たしかに」
みんなと力を合わせて進化を遂げた長高水族館。メンバーが増え、部の形が変わっても、生き物への愛情はずっと変わらないままです。
石丸さん:
「自分が研究に興味を持つようになったのも、タコちゃんっていう生き物がいたから研究をし始めて、その面白さにも(気付いて)、 そこから繋がった人とかたくさんいて、本当に自分の人生を広げてくれて豊かにしてくれたのが、タコちゃんだなと思っています。タコ水槽を作って毎日タコに会える環境っていうのがめちゃめちゃ特別な環境で、相棒が毎日いるみたいな感じで、すごく楽しい3年間でした」
水族館部で学んだことを胸に、新たなステージへと旅立つ27人。長浜の町と人と海から3年間惜しみなく注がれた愛が、これからもみんなの心を支え続けます。