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旅のお供は“防災グッズ”!観光地で宿泊キャンセル相次ぎ…異例ずくめだったお盆休み

2024年8月20日 17:00
旅のお供は“防災グッズ”!観光地で宿泊キャンセル相次ぎ…異例ずくめだったお盆休み

最長で9連休となった今年のお盆休み。直前には初めての「南海トラフ地震臨時情報」が発表され、最高気温は去年より3.5℃アップの「猛暑」に。異例ずくめのお盆を振り返ります。

お盆休み2日目の松山空港では、家族との久しぶりの再会を喜ぶ帰省客の姿が多くみられました。

お迎えの祖父:
「新潟からです。1年振りですね。ちょっと感激ですね、この日をずーっと待ってましたから」
孫:
「従妹と一年振りに会うから一緒に遊んだりもするので楽しみ」
孫:
「夜の動物園とかあと子どもの城で遊んだりすることが(楽しみ)」

一方で…

男性:
「ちょっと帰るかどうかは悩みましたけど…」

初の臨時情報が発表 各地で備えの動き

連休前の今月8日、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生。

気象庁は大規模地震の発生可能性が平常時と比べ相対的に高まっていると考えられるとして、南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」を発表しました。発表は2017年の運用開始以降、初めてです。

(街の人は)
Q 臨時情報ご存じでしたか?
男性:
「初めて聞きました今回」

女性2人組:
「調査するというニュースはスマホに来ていたが調査って何だろうと思っていて。え、もう出たんですか?」

初めての臨時情報が発表。お盆恒例のイベント会場や観光地では、「備え」が進められていました。

防災行政無線放送:
「(南海トラフ)臨時情報の巨大地震注意が発表されています。避難経路、家庭での備蓄などの確認をお願いします」

多くの観光客でにぎわった道後では、こんな家族に出会いました。

兵庫から:
父「一応(来る前に)ハザードマップを見てきた」
子「あと、地震の時必要になるかもしれないものを詰めたボトル」
父「車に防災袋を乗せてきました」

Q中身は?
「折り畳みトイレと歯ブラシと非常食とチョコレートとブランケット」

父親:
「十分準備をできるものはしてこようかなと思いました。地震が起こる可能性というのは絶対ないとは 言い切れないので日頃から注意をしてもらうように(子どもたちにも)教えている」

西予市三瓶町では、お盆恒例の「奥地の海のかーにばる」!今年も通常通り開催されましたが…

西予市三瓶支所 山本親人さん:
「南海トラフ地震臨時情報を受けまして作成した案内看板です」

Q海抜は?
「(避難場所の)農道のところが 海抜28メートル。現在地はほとんどゼロメートル」

会場内の各ポイントに津波避難場所を記した防災マップを掲示しました。

山本さん:
「有事の際にもきちんと誘導してお客様の安全を確保して楽しめるイベントにしていきたい」

地元、宇和高校三瓶分校のブースでは段ボールベッドや仮設トイレ、非常食の展示など防災グッズを紹介。

宇和高校三瓶分校3年 宮弓優斗さん:
「(臨時情報が出てる中)でもこのようなイベントを臆せずいつも通りするということが一番、地域の方にとって安心につながると思う。災害発生したあとに冷静にどのように立ち回ればいいかなど一緒に学んでいきたい」

今治市で開かれたイベントでは…

料理研究家 中村和憲さん:
「災害が起こった時に電気もガスも使えない状態でこういうアイデアがあると役に立つかなと思います」

350ccのアルミ缶と小さく切った牛乳パックで炊き上げる鯛めしに…段ボールとアルミで作った手作りの簡易かまどで焼くピザ。災害時にも応用できるアウトドア料理に挑戦しました。

東京から:
「災害が起きたから暗く考えるのではなくて、楽しみながら備えることができたらいいなと思いました」

猛暑で客足に影響も

臨時情報に加えて異例となったのは、この暑さ。去年と今年のお盆の最高気温を比較してみると一目瞭然。すべての日で去年を上回り、期間を平均すると3℃以上暑くなりました。

愛南町の須ノ川公園。あまりの厳しい暑さの影響により、海水浴客やキャンプ客は例年より少なめでした。

愛南町役場 内海支所 中田章さん:
「今回の地震の影響もまったくゼロではないと思いますが」

一方、オープンとともにあっという間にいっぱいになったのは、ウェルピア伊予の屋外プール。連日、家族連れなどたくさんの人で賑わいましたが、1週間前は…

ウェルピア伊予 宮内公博総支配人代理:
「去年と比べて少し少ないかなという感じだった。他の同業のプールの人とも話したが松山市内も少ないなという話をしていた」

猛暑の影響からか、去年に比べて客足は少なめでした。

宮内公博総支配人代理:
「1日に500、600人来ればいいなというところだったが、今はもう1000人超えて1500、1600人」

そのきっかけが…

宮内さん:
「地震が起こったら逆に(来場者が)増えてきたという妙な現象になっている」

来場者:
「遠方に出るのは控えようかなというのでもう家から遊びに行けるところで。なんかあっても怖いので」

今治市玉川町の松製麺所です。本場・香川で修行した店主が打つ讃岐うどん!お盆休み3日目のこの日は外にも、そして店内にも行列が!

松製麺所玉川店 松本隆太店主:
「(注文の)8割近くが冷たいうどんですね。みなさん食べていただくのは」

例年だと夏でも温かいうどんが全体の半分は出るということですが、今年は“冷たい”うどんの注文が急増しているということ。

こちらも涼を求めて松山から1時間。砥部町で50年以上続く「権現山そうめん流し」です。新型コロナなどの影響で、一度は営業を終了していたこの場所。再開を望む声を受け、今年5年ぶりにオープンしました!松山と比べて5度ほど涼しく、連日200人を超えるお客でにぎわいました。

そうめんを流し続けて50年以上、谷川富子さん91歳です。

谷川さん:
「毎日ものすごい(お客さん)らしいんです。ちょっと手伝いに来てくれんかと私が」

一度は引退していましたが5年ぶりの再開を手伝っています。

谷川さん:
「おいしいですか?みんなにおいしいか(聞く)」

台風がUターンラッシュ直撃

15日、午後5時。南海トラフ臨時情報「巨大地震注意」の呼びかけが終了。“異例”だらけの今年のお盆休みも終わり、かと思いきや…台風7号がUターンラッシュを直撃。飛行機が欠航になった人も。

東京から帰省:
「主人の実家が大阪なので伊丹に飛んでそっからルート変えて(東京に)帰る感じですね」

東京から旅行:
「欠航になっちゃったから明日バスで帰ります。どうするどうするって調べてやっと帰れる。下手したら5泊とかしないといけなかった」

この影響で羽田へ向かう便は20日まで満席状態となりました。

危険な暑さに巨大地震への警戒、そして台風。異例ずくめとなった今年のお盆休み。

書き入れ時に宿泊キャンセル相次ぎ 観光業に打撃

道後プリンスホテル 河内広志会長:
「こちらが今回の地震によるキャンセルをパソコンで一覧を出したものになります」

キャンセルを表す赤い文字が並ぶ、パソコンの画面…

道後温泉旅館協同組合によると、地震が発生して以降、組合に加盟するおよそ30のホテルや旅館で2600人あまりの宿泊キャンセルが発生するなど、深刻なダメージを受けました。

河内会長:
「まともにお盆という8月の(年間一の)稼ぎ時に直撃を受けたということはありませんでしたので」

松山市道後姫塚の「道後プリンスホテル」では、417人のキャンセルがあったといいます。お盆休みに合わせて、1億円あまりをかけて改修した、露天風呂付きの客室にもキャンセルが相次いだといいます。

河内会長:
「『ぜひ秋または来年のお盆に(道後に)お越しください』ということをお願いしてキャンセル料の免除をした。お盆に失われた数字は取り戻さなければいけませんので秋商戦の入り口9月の3連休が今年は2回ありますから、そこを中心に集客をしっかりやっていくということが今の目標です」

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