愛媛マラソン「なぜあなたは走るのか」42.195kmにかける1万人の想い
愛媛マラソンの舞台裏。1万人のランナーは“なぜ”過酷なレースに挑むのか。42.195キロにかけるランナーの想いです。
ミニオンの仮装で:
「沿道の方喜んでもらえるし、応援もたくさんいただけるんで」
とうもろこしの仮装で:
「介護の職場で働いてまして。利用者さんに応援してね言うとんで、なるべくテレビに映るようにして。元気を与えたいと思います」
2時間後のスタートに向け、城山公園にはランナーが続々と集まってきました。
初めて出場:
「ずっとボランティアで参加してたんですけど、走ってるランナーの方見てすごくいい顔して走られているので、1回走ってみたいなと思って」
4回目の出場:
息子「頑張って3時間以内に走って戻ってきてね」
父「分かりました!頑張って走って戻ってきます」
夫婦で一緒にゴールを:
妻「2人で3度目の正直でゴールしたいねということで、ゴールしたいと思います」
夫「この下に娘の顔写真をプリントしたTシャツも着て一緒に走るので」
ランナーの中には、こんな人も。
丹真吾さん:
「今年の箱根駅伝で6区を息子が走りました」
神奈川県から出場の丹真吾さん。息子で松山商業出身の柊太郎選手は先月、箱根駅伝で2年生ながら6区を走りました。息子が通う専修大学の手袋に…箱根駅伝の帽子を身に着け、完走を目指します。
その柊太郎さんはというと、この日、宮古島で行われる大学駅伝に出場とのこと。
丹さん:
「私が第57回の大会のときにいただいたキャップを息子がレースで愛用していて。向こうは愛媛マラソンの帽子、こっちは箱根駅伝の帽子ということで一緒に頑張ろうかなと思っている」
愛媛と宮古島、それぞれの地で親子の挑戦が始まります。
こちらには…愛媛マラソン名物コスプレランナーが集結。
母・伊達環美さん:
「今年は落選しました。応援に来ました。子どもが初マラソンなので」
毎回マドンナ姿で出場している伊達環美さん、今年は高校3年の長男・翔勇さんが初のフルマラソンに挑戦するんだそうです。
中学・高校と6年間野球部だった翔勇さんは野球のユニフォーム姿で!
父・勇人さん:
「まさか愛媛マラソンが最後のユニフォーム姿と思っていなくてそのユニフォーム姿を僕は追っかけて行こうかなと」
1万人の挑戦がスタート。コース上には途切れることなく応援の声が響き、ランナーたちの背中を押します。
母・環美さん:
「お!きたきた!おーい」
父・勇人さん:
「どんな?」
翔勇さん:
「まだ大丈夫」
父・勇人さん:
「よう言うわい」
「順調です。これら連れてゴールいきますんで頑張ります」
1万人のランナーが目指すフィニッシュ。スタートから4時間、ここを目指してきたランナーたちが続々とフィニッシュゲートをくぐります。
みきゃんの被り物をして笑顔でフィニッシュした松山市の横野彰菜さん。真っ先に向かったのは、娘の花穏ちゃんです。
横野彰菜さん:
「ただいま。待っとってくれたんね。よかった。ほっとした。泣いてないかなとか、ぐずってないかなってちょっと心配しながら。早く帰ってあげたくても自分の足には限界が」
去年2月20日に生まれた花穏ちゃん。花穏ちゃんの出産予定日は去年の2月11日。愛媛マラソンと同じ日でした。横野さんは去年のエントリーを見送り、大会の9日後に無事花穏ちゃんを出産。今回、お母さんになって初めて挑んだ愛媛マラソンでした。
横野彰菜さん:
「おかげさまで、やっと自己ベスト更新できましたーいつか娘が応援してくれて、あわよくば娘と一緒に走れる日が来たらいいな。ね」
スタートから4時25分。白塗りの顔でフィニッシュしたこちらの男性は…今治市大島の海南寺で住職を務める神野恵さん。“ノーコスプレマラソンノーライフ”という神野さんは白鳥など毎回、オリジナルのド派手な仮装で走っています。
今年の衣装は…
「アンパンマンのホラーマン。でもガイコツの方が多かったですね。沿道の方にわかりやすいコスプレを考えたがいまいちでした」
ちょっと反省点もあったようですが…沿道の人やランナーを楽しませたことには間違いなし!
大切な人を思いフルマラソンに挑んだランナーも。
木村幸正さん:
「すっごいしんどかったが妻のことを考えながら頑張りました」
妻・光代さん:
「泣かんとって!よう頑張った」
四国中央市から出場した木村さん。実は去年の愛媛マラソンで…
木村幸正さん:
「妻の方が体調が悪くて現在、それで今後治療が始まりますのでそのために今日頑張りました。今度手術することになったので」
がんが見つかり、手術を控えた妻の光代さんへ…一緒に闘う気持ちを伝えたいと愛媛マラソンを走りました。
去年のマラソンの2週間後、夫の応援を力に、肺がんの手術を受けた光代さんでしたが…
妻・光代さん:
「転移してしまって」
夫・幸正さん:
「まだまだ治療は続くので」
現在も闘病が続いているといいます。
妻・光代さん:
「すごく励みになりますうれしかったです」
夫・幸正さん:
「全然ね、ちょっとでも励ましになったらと頑張りました。ほんとに寄り添って支えていくだけですね二人で。とにかくそばで支えていきたい」
スタート前に出会った箱根ランナー丹柊太郎選手の父、真吾さん。4時間40分のタイムで、無事フィニッシュです!マラソン中、同じ日に宮古島の駅伝に出場している息子で箱根ランナーの柊太郎さんの事も気になったようで…
丹さん:
「家族ラインがありまして、各エイドで坊っちゃん団子つまみながら見て確認、どっちかというとそっちの方が気になったかも」
愛媛マラソンを走る父を見て陸上を始めたという柊太郎さん。その息子が箱根駅伝に走るようになった今…
丹さん:
「4年生最後可能なら箱根走ってチームも個人的にも良い成績を残して、最後愛媛マラソンで気持ちよく走って卒業という形で締められれば最高だなと」
6時間の愛媛マラソン、午後4時前。1万通りの思いで駆け抜けた42.195キロ。
谷川広一さん(今治):
「(応援)のために走っている感じですかね」
Q.かなり力になった?
「そうですね。辞め時がわからんぐらい毎年走らせてもらってます」
愛宕中学校教員 磯崎香里さん:
「愛宕中の先生を教員をしている そして愛宕中の卒業生です。最後愛宕中もあと2か月となるので自分自身も気合を入れていい締めくくりになればなと」
伊達翔勇さん:
「もう足がパンパンでみんな声援がすごくて嬉しかった」
父・勇人さん:
「おつかれさん!どうやったかい?きつかった?これがマラソンです。野球とはまた違います。最後のユニフォーム姿がよく見れてありがとう!」
小学校の先生 梶野裕太さん:
「まじで、まじで君らの応援がなかったらほんとに、完走できてないまじでやばかったありがとう、 まじでありがとう!」
小学校の先生 日高英典さん:
「突然みんなに囲まれてびっくりしました。サプライズで渡されて走り切らなくちゃいけないなと思って、なんとか苦しみに耐えて完走できて本当によかった」
大切な人が待つフィニッシュ。大切な人を待つフィニッシュ。走り抜いた先には42キロを目指した人たちの笑顔であふれていました。