「学び方が多様に」通信制高校の人気高まる 生徒数は右肩上がり…そのワケは?山梨
県内の中学3年生の進学希望先として通信制高校の人気が高まっています。背景にあるのは「学び方の多様化と社会の変化」。変わる学校現場を取材しました。
県教育委員会の調査によりますと、この春卒業する中学3年生6705人のうち、6.03%にあたる404人が通信制高校への進学を希望しました。ともに過去最多となり、希望者数はこの10年、右肩上がりで増え続けています。
山梨学院高校の通信制課程には約130人の生徒が在籍。2年前の開設時に比べ生徒数は約4倍に急増しています。
山梨学院高校通信制 吉田正 校長
「(生徒は)積極的に選択肢として選んでいるということだと思う。社会全体が多様性を認めるようになって個や個の権利を大切にしようという考え方が浸透して、受け皿も多様になって学び方も多様になってきている」
通信制高校では始業時間など定時の枠組みがなく、自身の体調や予定に合わせた学習が可能です。こちらの高校では、年に7日ほどの登校とレポートの提出で単位を取得することができます。
高校2年生
「将来もテニスをやりたい。プロになりたいと思って、打ち込める環境に行きたいと通信制高校を選んだ。平日は(時間が)空いているので、自分で集中してできる環境がある」
高校3年生
「高校3年生からは通信制にして、自分の体調と勉強と将来を考えていこうと決めた。自分に合った環境に入って、やりたいと思ったことにすぐに取り組める。自由にやっていいと言ってもらえる環境があることが心の支えになった」
通信制高校を希望する生徒の多くが、進学の理由に「自由な学習時間」を挙げています。
一方で文部科学省の調査では昨年度、県内の特別支援学校を含む公立の小中高校で確認された不登校の生徒数が過去最多となりました。
県教委は「不登校の増加も通信制を選ぶ要因となっているのではないか」と分析しています。