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岸田首相、東南アジアと欧州の歴訪日程終える 今回の訪問で浮き彫りとなった各国との溝や今後の課題とは?

2022年5月6日 0:21
岸田首相、東南アジアと欧州の歴訪日程終える 今回の訪問で浮き彫りとなった各国との溝や今後の課題とは?

東南アジアとヨーロッパを訪問していた岸田首相が、一連の日程を終えました。今回の訪問で浮き彫りとなった各国との溝や今後の課題について、前野記者の報告です。

岸田首相「今回の訪問の成果を踏まえ、平和秩序、自由と民主主義を守り抜く新時代リアリズム外交を本格的に動かしてまいりたい」

岸田首相は各国首脳との対面外交に「手応えを感じた」と強調しますが、ロシアへの対応をめぐっては、インドネシア、ベトナム、タイの首脳がいずれもロシアを名指しして批判することを避けるなど、欧米各国との立場の違いが浮き彫りとなりました。

東南アジアのこうした姿勢に対し、イギリスなどG7各国が不満を募らせる中、岸田首相は両者の「橋渡し役」として一致点を見いだしたい考えでしたが、すぐには溝は埋まりませんでした。

東南アジアでことし秋に開かれるG20、ASEAN、APECの3つの首脳会議では、プーチン大統領の参加を認めるかどうかで各国の意見が対立しています。

ある外務省幹部は、「3つの枠組みには民主主義体制でない国も多い。『G7がG20などの枠組みを壊した』と言われないよう注意が必要だ」と指摘しています。

各国訪問の間、「国際社会はロシアとの関係をこれまで通りにはできない」と繰り返した岸田首相。しかし、具体的にどう対応していくかは明確にはなっておらず、今後に向け大きな宿題を抱えた形になりました。