岸田首相、東南アジア3か国歴訪 ロシア対応“温度差”浮き彫りに…現状と課題は
岸田首相が東南アジア3か国を訪問しましたが、ロシアへの対応をめぐる厳しい現状と課題が浮き彫りとなりました。前野記者の報告です。
岸田首相(ベトナム )「(ウクライナの)独立・主権や領土の一体性を尊重する原則が守られなければならないことを確認しました」
一連の首脳会談で岸田首相は、アジア唯一のG7メンバーとして、経済制裁などロシアへの厳しい対応を直接、説明しました。しかし、インドネシアやベトナムの首脳はいずれもロシアを名指しで非難することはなく、改めて温度差が浮き彫りになりました。
岸田首相「様々な理由から、G7と同じ対応をしていない国、これは相当数、存在いたします。 こういった国々とできるだけ疎通を図っていく。特にアジア・ASEAN諸国と意思疎通を図っていくことは、重要であると考えています」
インドネシアとタイでは11月にG20サミットとAPEC(=アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議が開かれます。
G7の中では「議長国がプーチン大統領の出席を認めるなら各国は欠席すべきだ」との強硬論も出ていますが、日本の外務省幹部は「G7がボイコットするとロシアや中国が自分たちに都合の良い議論の場にしてしまう」と対応の難しさを指摘しています。
ロシアへの対応に関する東南アジアとG7の溝を埋めることはできるのか。岸田首相はこの後、G7メンバー国のイタリアとイギリスを訪問し、早速、「橋渡し役」としての真価が問われます。