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映像流出「最終責任は私にある」~菅首相

2010年11月10日 22:01
映像流出「最終責任は私にある」~菅首相

 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をめぐる映像流出問題で、10日、神戸海上保安部の男性海上保安官(43)が映像の流出に関与したことを認める話をしていることがわかった。菅直人首相は映像流出について自らの責任を認めた上で、捜査結果が出た段階で責任の取り方を議論する考えを示した。

 自民党・小泉進次郎議員は10日の衆議院予算委員会で、「もっと早く映像を公開すべきだったのではないか」と追及した。

 小泉議員「今日、職員が自らが流したという一報を受けて、もっと早く(映像を)公開すればよかったと思いませんか?」

 菅首相「閣僚なり首相が自由に判断できる種類のものなのか。捜査に関連したものであって、捜査当局の判断を一義的に尊重すべきものなのかを含めて、一定の手続きを抜きにして公開するのは、ふさわしくなかったと考えている」

 小泉議員「中国の日本批判を退けることができるというメリットと、犯人の量刑が下がるかもしれない恐れというデメリット。これを勘案した時に、なぜ、中国の日本批判を退けることができるというメリットを国益と取らないのかわからない」

 仙谷由人官房長官「特典はあっても、それを上回る、つまり法廷で白黒つける立場じゃありませんから、それを上回るデメリットが大きいだろうという判断をしているつもりです」

 小泉議員「海保の職員が流出させたものだった場合、責任の所在はどこにあるのか?」

 菅首相「国家公務員を監督する立場にある、最終的には私。直接的にはそれぞれの部局にそれなりの責任があると認識している」

 小泉議員「これはどういう形で、ちゃんとケジメをつけてくれるのか」

 菅首相「捜査の結果がそう時間はかからないと思うが、はっきりした段階で検討する。議論する必要があると思っている」

 菅首相は、映像流出について自らの責任を認めた上で、捜査結果が出た段階で責任の取り方を議論する考えを示した。

 一方、野党側は政府批判の声を強めている。

 みんなの党・渡辺喜美代表「本来、出すべきものを出さなかった。こういう結果を招いた。この結果責任は大きいと思います。担当閣僚、政府の中でそれを主導した官房長官、非常に罪は重いと思います」

 たちあがれ日本・平沼赳夫代表「担当閣僚にしろ、首相も責任を明確にしなければならないと思っておりまして、そのことは辞任を含めて強く要求していきたい」

 自民党・谷垣禎一総裁「こういうことが起こるのは、本当に責任を取るべき政治が責任を逃れている。こんな閣僚の下で、こんな政権の下で、仕事をしていられるかという空気が起こってきたって不思議ではない」

 野党側は、海上保安庁を所管する国交省の馬淵大臣の問責決議案の提出なども視野に、政府の責任を追及していく構え。