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名古屋市長の辞意表明、市議は寝耳に水

2010年11月26日 22:01
名古屋市長の辞意表明、市議は寝耳に水

 名古屋市・河村たかし市長は26日、市議会の解散を求める署名が必要な数に届かなかったことを受け、来月中に辞職し、来年2月の愛知県知事選挙にあわせて再び市長選挙を行う方針を明らかにした。市長の辞意表明は、市議にとっても寝耳に水だったようだ。

 河村市長「リコール署名が(必要数)集まらなかったら、辞職しようと思っていた。皆さん、言ってたもん。『責任取れ』と。(Q議会は辞めろと言っていないが?)いや、当時は言っていましたので」

 河村市長は「市民税10%減税」や「議員報酬半減」を実現するため、自らが先導して議会解散を求める46万人分の署名を集めたが、市選挙管理委員会にほぼ4分の1が無効とされ、必要な数に1万2000人分が不足している。

 河村市長は26日、この事態の責任を取るとして、来月下旬に辞職して来年2月に行われる知事選にあわせて再び市長選挙を行う考えを示した。河村市長が知事選に担ぎ出した自民党・大村秀章衆議院議員を支援する意味合いもあるとみられるが、任期途中での辞職に、市議会や市民からは「市政を私物化する行為」と批判の声も上がっている。河村市長は「(Qダブル選挙で大村氏を当選させたい?)名古屋と愛知が連携して、名古屋の減税をゆるぎないものにしていくということです」と述べた。

 26日の名古屋市議会では、懸案となっている減税の継続や議会改革について審議されるはずだったが、市長の辞意表明は市議にとっても寝耳に水で、理由についても納得できない様子だった。

 自民党・渡辺義郎市議「リコールが成立しないから、辞めさせていただくと聞いた。先ほどの答弁は、リコール成立のため全力を尽くして応援していくと。これは整合性がないわけです」

 河村市長「私としては(議会から)責任を取れということがあったので、けじめをつけさせていただきたいのが真意でございまして」

 渡辺市議「あなたは市長としての任務がまだ残っているから、当然それを全うするのが任務ではありませんか」

 名古屋市議会・横井利明議長は「きょう辞めるというのなら、(リコール署名の)責任を取ったと思うが、知事選に向けてということなら、市民ではなく大村さんをとったと市民に思われるのではと大変危惧(きぐ)をしています」と話した。

 一方、大阪・橋下徹府知事は「こうだってことをやろうと思えば、最後は選挙で決めるしかないと思う」と述べ、エールを送った。