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G20サミットの成果と課題は? 記者報告

2011年11月5日 3:19
G20サミットの成果と課題は? 記者報告

 フランス・カンヌで開かれたG20(=20か国・地域)サミット(=首脳会議)が初めてのサミットとなった野田首相は、一連の日程を終え、帰国の途に就いた。その成果と課題について、政治部・田中秀雄記者が報告する。

 野田首相は今回、世界経済の安定と成長の確保に向け、積極的に貢献していくとのメッセージを発信する考えだった。しかし、ギリシャの国民投票をめぐる動きでサミットは債務問題一色となった。急激な円高に対し、今週、日本が単独で市場介入したことについて、野田首相が理解を求める場面もあったが、他の国から特段の反応もなく、日本の存在感は薄れがちだったことは否めない。

 一方で、野田首相は10年代半ばまでに消費税率を10%に引き上げるため、来年の通常国会に関連法案を提出する方針を表明。財政再建に向けた決意をアピールしたが、税率引き上げはいわば「国際公約」へと引き上げられた形。

 野田首相「(政府・与党や与野党協議で)まとまった暁には実施時期も定めることになるので、実施される前に信を問う、という手順を踏んでいきたい」

 さらに、野党側が求める「法案成立前の衆議院解散」には応じない考えを示したことで、今後、野党側の反発は必至。TPP(=環太平洋経済連携協定)交渉への参加問題など数々の難問が待ち受ける中、「消費税率の引き上げ」という重い課題まで背負い、野田首相は5日午後、帰国する。