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首相 年金抜本改革案の提示、明言避ける

2012年1月28日 1:59
首相 年金抜本改革案の提示、明言避ける

 衆議院本会議で27日、野田首相の施政方針演説に対する代表質問が行われ、公明党・井上幹事長は野田首相に対し、「民主党の年金抜本改革の具体案を早急に提示すべき」と要求した。

 井上幹事長は「今後の年金の給付水準について、その見通しさえ示すことができないような素案で、本当に国民に負担をお願いできるでしょうか。首相、もうこれ以上、逃げることは許されません。民主党の言う年金抜本改革の具体案を早急に提示すべきです。いつまでに示すのか、明言してください」とただした。

 これに対し、野田首相は「どのように議論を深め、整理するか、党が判断した上で取り扱うことになると承知をしております」と述べるにとどまり、年金改革の制度設計やその財源などを示すかどうかは明言を避けた。

 続いて、去年末に民主党から離党した議員たちでつくった新党きづなの内山代表が質問に立ち、「もし、総選挙で訴えた理念を捨てて大幅に方向転換するのであれば、解散・総選挙を行うことが政治の常道と考える」と述べた。野田首相は「国民の皆様に反省とおわびを申し上げたと承知しているところです。今後も、一つでも多くの政策を実現できるように努力をしていきたいと考えている」と話した。

 また、みんなの党・渡辺代表が、行政組織の無駄削減ができていないとして「シロアリの巣を膨張させている」などと批判したのに対し、野田首相は「公務員制度改革や独立行政法人改革を含め、不退転の覚悟で、聖域なき行政改革の取り組みを進めてまいります」と述べた。

 さらに野田首相は、先の大阪ダブル選挙で圧勝した大阪市・橋下市長に秋波を送るみんなの党や新党結成の動きなどを念頭に、「橋下市長の動きについては、私は改革者として注目するところ大でありますが、この動きにもシロアリがたかることがないことを祈ってやみません」と皮肉を込めて反論した。