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極秘会談は閉塞感漂う政治の打開となるか

2012年3月3日 22:10
極秘会談は閉塞感漂う政治の打開となるか

 野田首相と自民党・谷垣総裁が行った極秘会談の波紋が広がっている。トップ同士の異例の会談は、閉塞(へいそく)感が漂う政治状況の事態打開につながるのだろうか。政治部・平本典昭記者が報告。

 谷垣総裁は会談を一貫して否定し、3日も「バッと解散して、早くやるべきことをやるということじゃないですか」と述べるなど、一日も早い衆議院の解散・総選挙を強く求めている。

 先月25日に東京都内のホテルで行われた極秘会談以降、2人の距離感には確実に変化があらわれた。議論がかみ合わず平行線が続くことが多い党首討論だが、先月29日の討論では、消費税増税の必要性を強く感じている2人の姿が重なった。

 実は、極秘会談は当初の予定より早く1時間弱で終了。「物別れに終わったのでは」との観測も出たが、ある関係者は「首相は会談に手応えを感じていたようだ」と話している。

 今、野田首相の政権運営を取り巻く環境は厳しさを増している。民主党内で小沢元代表が消費税増税法案に反対の動きを強めていることに加え、支持率の下落も止まらない。

 07年10月に福田首相が小沢代表(いずれも当時)と直接会談して大連立を模索したり、去年3月に菅首相(当時)が谷垣総裁に入閣を要請したりと、これまでもトップ会談で事態の打開を模索する動きはあったが、いずれも失敗に終わった。

 停滞した政治を前進させることにつながるのか。ある野田首相に近い閣僚は「これで一気に政治は進む。野田さんは、小沢さんより谷垣さんに傾いたということだ」と解説している。

 今回の会談について、政治学が専門の日本大学・岩井奉信教授は「自民党も消費税(率)は10%と言っている。野田さんもそう言っている。結論は一緒で、手続き論でもめている。一番、日本の政治で問題なのは、国会が物事を決められないこと。このままでは国会全体、永田町の政治全体が国民の支持を失うという危機感の中で事態を打開しようということは、私は無駄なことではないと思います」と話す。

 両トップに求められるのは、水面下での会談をしっかりと目に見える形で政治は前進したという結果につなげることと言える。

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