今月中にも行われるとみられていた拉致被害者などをめぐる北朝鮮の特別調査委員会の１回目の報告について、安倍首相は１８日夜、「北朝鮮側は何も言ってきていない」と述べた。

　安倍首相「北朝鮮側は（報告は）夏の終わりから秋のはじめにということをですね、日本側に伝えて来たのでありますけども、いつということについても北朝鮮側は日本に、何も言ってきていないという状況でありますが」

　安倍首相はさらに、「すべて正直に日本側に伝えてくるよう北朝鮮側の対応を見極めていきたい」と強調した。

　特別調査委員会の１回目の報告をめぐっては、外務省幹部が先月下旬にマレーシアで、今月６日、７日には中国で、北朝鮮の秘密警察である国家安全保衛部のメンバーと極秘に協議している。

　一連の交渉の中で、日本側が調査報告に拉致被害者や特定失踪者の具体的な安否情報を盛り込むよう強く求めているのに対して、北朝鮮側は、「調査は遺骨や日本人配偶者の問題も含めて包括的に進めており、時間がかかっている」などとして、明確な返答をしないため、調整が難航している。

　今月中にも行われるとみられていた北朝鮮による調査報告は遅れる公算が出ている。