【解説】自民党総裁選 カギを握るのは…終盤に“2つの動き”
自民党総裁選挙まであと3日。後半戦のカギを握るとみられる2つの動きについて、日本テレビ政治部自民党担当の長谷栞里記者が解説します。
政治部・自民党担当 長谷栞里記者
「自民党総裁選はここまで、日本テレビの調査や情勢分析では石破候補、高市候補、小泉候補の3強の構図となっています。このうち2人による決選投票となるとみられます」
「その中で、ここにきて注目が集まっているのは麻生副総裁の動きです。今回、麻生さん自身は河野候補を応援する一方で、上川候補の推薦人の中で9人が麻生派の議員です。党内を取材していると、河野候補も上川候補も苦戦を強いられている中、『麻生さんは高市さんを応援するのでは』という声を多く聞きます」
「麻生さんは首相時代に石破候補から辞任を求められたことで関係が良くないと言われるほか、小泉候補の後ろ盾になっている菅前首相とは、安倍政権の時に方針の違いから関係は微妙と言われています。そこで『消去法』で高市候補の支持に回るのではという見方が出ています。麻生さんが態度を決めれば一定程度の議員票が塊となって動くとみられ、後半戦の戦いに大きな影響を与えそうです」
「さらに、同じく態度を決めていない岸田首相が誰を応援するかも旧岸田派の議員票が『塊』で動く可能性があり注目されています」
鈴江奈々キャスター
「塊の議員票というのは勝敗に大きく影響を与えるということで注目されているということですが、2つ目のカギを握る動きというのはなんでしょうか?」
長谷記者
「それは安倍派、その中でも参議院安倍派の動きです。日本テレビの取材で40人以上が支持の態度を固めておらず、約半分が安倍派です。今月、参議院安倍派の会合が行われました。トップはいわゆる裏金事件で自民党を離党している世耕氏で、総裁選期間中も水面下で会合を繰り返しています。参加した1人は『1回目の投票からまとまるのでは』『結束して力を示したい』と話していて、裏金事件で低下した存在感を回復したいという狙いもあるとみられます」
「一方で、こうした動きに党内からは『派閥はなくなった今、どこまで結束できるのかは未知数だ』という声も出ています。今回の総裁選は『脱派閥』と言われる中で派閥の締め付けがなくなり9人の候補者が乱立しましたが、終盤戦に入り塊となって票がどう動くかという点がポイントになってきています」