安保法案対案 首相「現時点では必要ない」
10日、安全保障関連法案を審議する衆議院の特別委員会では、民主・維新両党が提出した対案についても初めての質疑が行われている。野党の対案について安倍首相は、「現時点では必要ない」との認識を示した。
対案は、武装集団が離島に上陸するなど、武力攻撃を受けたとまでは言えないいわゆる「グレーゾーン事態」に迅速に対応するためのもの。安倍首相は、現在の体制を強化することなどで対処できるとして、「対案は必要ない」と述べた。
安倍首相「武力攻撃に至らない侵害に際し、いかなる不法行為に対しても切れ目のない十分な対応を確保するための体制を整備したところで、現時点では新たな法整備が必要であるとは考えていない」
一方、有事の際、日本人を輸送するアメリカ軍の船が攻撃を受けた場合、日本としてどう対応するかについて、安倍首相から民主党の岡田代表にただした。
民主・岡田代表「朝鮮半島有事があって5万人の日本人が逃げてくるということであれば、それを運ぶ船に対して海上警備行動を発令して守るということを申し上げている」
岡田代表は、集団的自衛権ではなく警察権の範囲で自衛隊が対応すべきと主張したが、安倍首相は、「警察権ではとても対抗できない。ミサイルにピストルで対抗することになる」と反論した。
政府・与党は来週15日にも委員会で採決したい考えで、与野党の攻防は週明けに最大の山場を迎える。