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民進党、厳しい戦い 解説委員が原因分析

2016年7月11日 5:54
民進党、厳しい戦い 解説委員が原因分析

 第24回参議院選挙が10日に投開票され、自民・公明両党が改選議席の過半数を大きく上回り、勝利。一方、民進党は厳しい戦いを強いられた。その理由について、日本テレビ報道局の小栗解説委員が解説する。

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 民進党は今回厳しい戦いを強いられた理由をひと言でいうと、反自民、反安倍首相の受け皿になりきれなかったということだと思う。

 出口調査でアベノミクスを「評価しない」と答えた人が、比例で何党に入れたかを聞いてみたところ、民進党が31.9%、共産党が16.0%、自民党が13.8%などとなっている。

 本来なら、「アベノミクスを評価していない」人から、野党第1党の民進党が、もっと多く票を集めていても不思議ではないが、3割程度しか支持を得ていない。中には、それでも自民党という人が1割以上いた。これらのことから、今の安倍政権への批判票の受け皿に民進党がなっていない実態が浮かび上がって来る。

 さらには、普段、民進党を支持している人が、今回比例で何党に投票したかと見てみると、当然、民進党が多いのだが、それでも7割程度、足元の支持を固めきれなかったことが分かる。

 また、今回18才・19才という10代の有権者が誕生したが、この人達が何党に投票したのか見てみると、自民党が43.9%で、民進党はその半分以下の18.3%にとどまった。若い世代にも支持を広げ切れておらず、今後の大きな課題となりそうだ。

 今回、民進党の岡田代表は、地元三重県で負けたら次の代表選挙には出ないと話していた。今回、三重では、かろうじて、民進党が議席を確保することが出来た。

 民進党・岡田代表「3年前と比べると(党勢は)かなり回復途上にあると、途上ではありますけれども、議席は増やしています。そういう意味では、まだまだ十分には期待はできないけれども、しかし頑張って、ということだと思います」

 今回、三重で民進党はなんとか勝ち、ある民進党幹部は「30議席とれれば岡田代表は続投だ」と話していたことから、直ちに岡田氏が代表を降りるということにはつながらなさそうだ。ただ、9月に予定されている民進党の代表選に出馬するかどうかについては、岡田代表は「白紙だ。しっかり考えていきたい」と述べていて、今後、代表選に向けて、党内のかけひきが活発化しそうだ。

 その他、気になる野党の動きだが、今回の選挙を受けて、新党改革が政党要件を失うことが確実となった。政党交付金の支給対象となる政党要件は、次の2つ。

・所属国会議員が5人以上
・所属国会議員が1人以上で、かつ直近の衆院選か過去2回の参院選で得票率2%以上を獲得していること

 新党改革は、所属議員は荒井代表1人だけだが、今回当選ならず、政党要件を失うことが確定した。