前原、枝野両候補 地方票獲得レース熾烈に

民進党の代表選挙は折り返し地点を迎えている。地方での討論会を連日重ねている前原、枝野両候補は、激しい地方票の獲得レースを繰り広げている。三重県四日市市の討論会会場から清田大輝記者が伝える。
■討論会での論点は
討論会は26日午後から行われている。午前中に神戸市で行われた討論会では、安全保障関連法をめぐって枝野氏が前原氏をただす場面があった。
枝野元官房長官「立憲主義を破壊した安保法制。まず緊急にやらなきゃならない、戦わなきゃならない課題としてしっかり打ち出していかなければならないと思うが」
前原元外相「憲法に違反する法律は無効である。我々は『廃止』をめざすが、新たなものをつくっていかなければ。国民の命を守る観点から、現実的にも対応できる政党だと示さなければ」
前原氏はこれまで日米同盟への影響を考え『廃止』ではなく『見直し』を主張していたが、代表選では軌道修正した形。
一方で枝野氏も、共産党との選挙協力は維持する考えを示しながらも「政権を共にできる状況にはない」と強調するなど、互いに幅広い支持の獲得に苦心している。
■選挙戦の情勢は
前原氏が優勢に選挙戦を進めている。国会議員について、現時点で前原氏は少なくとも80人の支持を固めているのに対し、枝野氏は40人弱とみられている。
焦点は約半分を占める地方議員や党員・サポーターのいわゆる地方票。枝野氏の陣営幹部は、「体感では6対4ぐらいで優勢ではないか」と話す一方、前原氏の陣営幹部は「国会議員票に比例して優勢だと思うが、仮に半々だったとしても勝てる」と自信を見せている。
仮に前原氏が勝利した場合でも、枝野氏が多くの地方票を得れば、その後の人事などに影響するのは必至で、新しい代表が決まる来月1日に向けた最後の追い込みは熾烈(しれつ)を極めそうだ。