日本をどう守る…各党の違いは?「安全保障・核政策」【#きっかけ解説】
──北朝鮮に加え中国、ロシアなどの影響で、日本を取り巻く安全保障環境は厳しくなっているという指摘がありますね。
北朝鮮の核・ミサイルの脅威に加えて、中国、ロシア軍機による領空侵犯も続くなど日本周辺での軍事活動が活発化しています。こうした事から選挙戦では、日本をどう守っていくのかが、焦点のひとつとなっています。
政党ごとにまず主張が分かれるのは、日本の防衛政策の基軸を日米同盟とするかどうかです。
日米同盟では、日本がアメリカ軍に対して日本国内で基地使用を認めるかわりに、日本が攻撃された場合、アメリカが守ってくれるとしています。アメリカの軍事力で、他国から侵略させないという狙いがある一方、逆にアメリカ軍基地が攻撃されることで、日本が戦争に巻き込まれるリスクがあるとの指摘もあります。
各党で日米同盟のスタンスがわかれています。
自民、公明、立憲、維新、国民の5党は、同盟の強化を公約に明記しました。一方で、共産党は、同盟の強化に反対。れいわ新選組は「アメリカ追従の外交の見直し」を主張。社民党も「米軍基地の撤去」を主張しています。
──防衛をめぐっては、核兵器に対する各党のスタンスは、どうなっているんでしょうか。先日、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞受賞が決まりました。
れいわ、共産、社民が「核兵器禁止条約」への批准を掲げ、公明党と立憲民主党が、条約の締結国会議へのオブザーバー参加を掲げています。
自民党は公約では「核兵器のない世界」にむけて「現実的かつ実践的な取り組みを進める」としています。また、オブザーバー参加について石破総理は、ノーベル平和賞受賞の決定を受けて、「真剣に検討する」と、これまでより踏み込んだ発言をしました。
一方、核政策をめぐっていわゆる「核抑止」について言及する政党もあります。
「核抑止」とは、日本が非核三原則を掲げる中、核兵器を含むアメリカの戦力で日本が守られていることで、他国に日本への攻撃を思いとどまらせるというもので、自民、公明は政府与党の政策として進めています。
核抑止については、維新が「原子力潜水艦の共有」を例にあげているほか、国民は「具体的に議論」、参政は「手順の明確化」をあげるなど、核抑止に積極的です。