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「政治とカネ」巡る各党の政策は…衆院選・投開票日まであと11日【#きっかけ解説】

2024年10月16日 12:41
「政治とカネ」巡る各党の政策は…衆院選・投開票日まであと11日【#きっかけ解説】
衆議院選挙の投開票日まであと11日。さまざまなテーマで各政党の政策について考えます。投票のきっかけに──16日、考えるのは「政治とカネ」の問題についてです。政治部・長谷栞里記者の解説です。

──今回の衆院選、「政治とカネ」の問題が大きな焦点になっていますね?

そうですね。そもそもの発端は、自民党の派閥のいわゆる裏金事件です。その後、国会では、再発防止策として今年6月、政治資金規正法が改正がされました。中身としては「議員本人への罰則強化」に加え、政治資金パーティー券購入者の公開基準を「20万円超」から「5万円超」に引き下げることなどが盛り込まれました。

一方で、改正法では「今後検討する」とされた項目も多く、残された課題については各党の考えがわかれています。

──どんなポイントに注目していったらいいのでしょうか?

1つめは「政策活動費」についてです。政党から議員個人に支給する政治資金のことで、これまでは具体的に何に使ったのかを公開する義務がなく「ブラックボックス」とも呼ばれてきました。今回の規正法の改正で、領収書の10年後の公開が盛り込まれましたが、各党で考えが分かれています。

「廃止」や「禁止」の方針を公約に明記したのが立憲、維新、公明、国民民主、れいわ、社民。一方、自民党は「将来的な廃止も念頭に透明性を確保する」との表現にとどめています。

──自民党はなぜ廃止としないんですか。

自民党は現時点で「廃止」を打ち出すのは時期尚早と判断したとみられます。石破首相は先週の党首討論で、政策活動費を適法な範囲で衆院選で使用する可能性を否定しなかったものの、その後「選挙では使わない」と発言を修正しました。これには野党が批判を強めています。このほか共産党は、税金を原資とする政党助成金制度の廃止を掲げています。

──ほかに「政治とカネ」の問題で考えが分かれているものはあるんですか

2つめが、企業・団体献金と政治資金パーティーの扱いについてです。政治資金パーティーとは、政治活動で必要な資金源として法律で認められているもので、国政報告会といった形式で開く議員が多くいます。

立憲、維新、共産は、「企業・団体献金の禁止」を打ち出した上で、「企業・団体によるパーティー券購入の禁止」を掲げています。国民民主は、政治資金パーティーの「規制強化」を訴えています。れいわ、社民はさらに踏み込んで、政治資金パーティーそのものの禁止を打ち出しています。

一方、自民・公明両党は企業・団体献金の禁止について公約で触れておらず、パーティー券購入に関する規制は打ち出していません。

みなさんの1票をどこに投じるのか、参考にしていただきたいと思います。