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与党からも批判“衆院解散”に小池知事は?

2017年9月18日 18:49
与党からも批判“衆院解散”に小池知事は?

 今回の解散総選挙で、安倍首相は何を国民に問うのか。野党側は「大義なき解散だ」と強く反発している。


■なぜ今解散なのか

 安倍首相が、今月28日に召集される臨時国会の冒頭で、衆議院の解散に踏み切る意向を固めた。ニューヨークにたつ前、安倍首相は自宅で、公明党の山口代表や自民党の二階幹事長と相次いで会談。与党内の一部から「大義がないし準備期間もない」などと反対意見もあるため、解散に踏み切る理由を丁寧に説明したものとみられる。

 安倍首相が、解散の意向を固めた背景には、森友学園や加計学園の問題で急落した内閣支持率が回復していることや、民進党では前原新体制の発足後も離党者が相次いでいること、小池東京都知事に近い若狭衆議院議員が結成を目指す新党の準備が整っていないことなどがある。


■小池知事の動向

 安倍首相もその動向を気にしている小池知事。小池知事は先週末、側近の若狭議員が主宰する政治塾「輝照塾」の初回の講師を務めていた。

 小池知事「日々“若狭さんとは連携”を取りながら、都政で、そしてまたぜひこれから“国政で大きな改革”を進めてほしいと」

 この政治塾は、国政でのいわゆる「小池新党」の立ち上げを模索する中で、塾生から“候補者を養成する”目的がある。小池知事も、連携していく考えを示していて、“新党結成”に向けて動き出したばかりだった。

 解散の動きについて「色々あらゆる事態に対応できるように、準備はさまざましているということだけは申し上げられる」と話す若狭議員。新党は臨時国会召集までに立ち上げる方針だが、どの程度の規模になるかはまだ不透明だ。

小池知事「解散総選挙というのは、何を目的になさるのか、大義ということについてはわかりません」「(Q:若狭さんの新党への解散となった際の期待を)解散総選挙となったときは、しがらみのない政治、そして大きく改革をする、そのメッセージが伝わるようになればと思います」


■「安倍の安倍による安倍のための解散」

 この突然の“解散宣言”に与党内からは―

 自民党ベテラン議員「『安倍の安倍による安倍のための解散』だ。(加計問題の)国会審議を避けようとしているのが本音で、説明責任なんて果たすつもりはまったくない」

 安倍首相は常々、森友学園や加計学園をめぐる問題で、臨時国会で再び取り上げられるのは避けたいとの思いを、周辺に話していたという。一方、野党側は、このタイミングでの解散に強く反発。

 民進党・前原代表「冒頭解散を仮にするのであれば、まさに森友・加計問題から逃げた疑惑隠し、敵前逃亡の解散だと言われても仕方ない」

 民進党・江田前代表代行「北朝鮮核開発、ミサイル危機の時に、本当に解散で政治空白を生んでよいのか、大義はまったくないと」

 共産党・志位委員長「臨時国会冒頭での解散は森友・加計疑惑隠し、容認するわけにはいかない」「安倍政権を退場に追い込む歴史的チャンス」

 一気に吹き荒れた解散風。衆議院選挙は、来月22日が軸とみられていて、解散に向けて与野党の動きが活発になっている。