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2018年、安倍政権が抱える外交課題は

2018年1月2日 8:29
2018年、安倍政権が抱える外交課題は

2018年の安倍政権が抱える外交面での最大の課題は、何といっても北朝鮮問題だ。

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■北朝鮮

政府はこれまで、アメリカと協力し経済的に圧力をかける政策を続けていて、一定の効果を生んでいるが、その一方で、北朝鮮の核・ミサイル開発は収まりを見せていない。アメリカ大陸まで届く核ミサイルの完成が間近とされる中、アメリカによる北朝鮮への攻撃など、有事への懸念が高まっている。

日本としては、国際社会に働きかけることで北朝鮮への石油の完全な輸出禁止などを実現し、北朝鮮に政策を変えさせることができるのかが問われる。

その一方で、日本が望まない形でアメリカと北朝鮮が合意にいたり、日本が取り残されてしまうことがないように、アメリカと連携しながら北朝鮮の政策に変化の兆しがあるのかを慎重に見極めていく必要もある。まさに正念場の1年になりそうだ。

■中国・韓国

その北朝鮮に大きな影響力を持つ中国との関係は、2017年の後半に関係改善の兆しが見えてきた。日中平和友好条約の締結から40周年の記念となる今年は、日中韓サミットを早期に開催し、その上で首脳同士が相互に訪問し合うなどして、さらなる協力関係の強化につなげていけるかが課題。

北朝鮮への対応で欠かすことのできない中国の協力を引き出せるのか、日本外交の真価が問われる。

■ロシア

一方、ロシアとの関係では、北方領土での共同経済活動を具体化し、事業を開始できるかが焦点。

現在、日露両政府は、去年9月の首脳会談で合意された観光ツアーや海産物の共同養殖などの5項目に絞って具体化のための協議を続けている。しかし、法的な問題や具体的な往来のやり方など、解決しなくてはならない課題も多く、実現への道のりは容易ではない。

また、3月に行われるロシアの大統領選挙まではプーチン大統領が積極的に北方領土問題に関与する可能性は低いとみられ、一日も早く事業をスタートさせたい日本政府との温度差も見て取れる。共同経済活動を北方領土問題解決の足がかりと位置づける政府だが、今年も粘り強い交渉が求められる。