【解説】女川原発 再稼働の意味は…?
東北電力は29日夜、宮城県にある女川原発2号機を再稼働しました。女川原発の再稼働が日本にとってどのような意味合いがあるのか、経済部・岩田記者の解説です。
現在、国内にある原発33基のうち、東日本大震災以降に再稼働した原発は、美浜・高浜・大飯・伊方・玄海・川内の6か所12基ですが、すべて西日本にありました。今回の女川原発は、初めて東日本で再稼働した原発ということになります。
こうした理由などから、東日本は西日本に比べて電力需給がひっ迫したり、電気料金が高くなったりしていました。
女川原発1基では、それほど東日本の電力需給に影響するものではありませんし、また、東北電力はすでに再稼働前提で電気料金を設定しているので、これだけで、電気料金が安くなるということはありませんが、ただ今後、今回の再稼働をきっかけに東日本でも原発の再稼働が進むことになれば、電力需給に余裕が出たり、料金の負担が縮小したりする可能性があります。
――なぜ、東日本では今まで再稼働がなかったのでしょうか?
女川原発は、13年前に未曽有の事故を起こした福島第一原発と同じ「沸騰水型」と呼ばれるタイプの原発です。このため、安全対策に手間がかかったこともあり、再稼働に時間がかかりましたが、津波対策として海抜29メートルの防潮堤を作るなどして、「沸騰水型」として初めての再稼働を実現しました。
今後、政府が再稼働を進めたい柏崎刈羽原発なども同じ型の原発なので、その再稼働にも影響するものと思います。
ただ、原発がある地元では、依然として、特に避難計画に不安の声もあり、政府にはしっかりとした対応が求められます。