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「働き方」法案“ずさんデータ”で苦境に

2018年2月28日 17:30
「働き方」法案“ずさんデータ”で苦境に

28日、大詰めを迎えた来年度予算案の審議。野党側は裁量労働制をめぐる厚生労働省のずさんなデータ問題を追及した。これまで安倍政権は対応に苦慮している。

厚生労働省のデータがあまりにずさんだったことは、すでに誰もが認めるところとなっている。そのため安倍首相も28日、「裁量労働の実態把握をしない限り前に進めない」と述べるところまで追い込まれた。

これによって法案の国会提出は当初の予定より1か月程度遅れ、少なくとも来月下旬になる見通しとなっている。

政府・与党内には裁量労働制の拡大という方針自体が揺らぎかねないとの見方も出てきている。自民党幹部は「法案から裁量労働を拡大する部分を切り離すことも考えなければならない」と話している。

また安倍首相周辺からも「9月に自民党総裁選挙があるのに、安倍首相が傷がつくようなことをやってはいけない」として、法案の提出そのものを見送るべきとの意見も出ている。

しかしその一方で、安倍首相自身が今国会を「働き方改革国会」と名づけるほどの目玉法案で簡単に後退もできない。

2018年度予算案は28日夜に衆議院を通過すれば年度内成立が確実になるが、働き方改革をめぐって安倍首相は窮地に立たされている。