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夏の風物詩“ラムネ”がピンチ!? 海外ブームで“瓶”不足 「奪い合いになっている」

2024年7月31日 13:35
夏の風物詩“ラムネ”がピンチ!? 海外ブームで“瓶”不足 「奪い合いになっている」
国内でラムネの瓶が不足

ラムネといえば夏の風物詩の一つですが、ここ数年で瓶が不足し、思うように生産できない事態になっているといいます。一体、ラムネの瓶に何が起きているのでしょうか?

「中身より瓶代のほうが高い」 “瓶”不足で価格も上昇

名古屋市西区にある「菓子問屋たつや」では、朝からラムネを買っていくお客さんがいました。コロナ禍で落ち込んだ売れ行きも、もとに戻りつつあるといいます。

菓子問屋たつや 近藤雅彦さん:
「コロナのときは(祭りの)中止が多かったんですけど、去年あたりからだいぶ復活して、今年ラムネはよく出ますね」

ところが、ラムネ業界では頭を抱える事態が発生しているようです。今、海外では空前のラムネブーム。スーパーでも普通に売られているほど人気が高まっているのですが、海外用の出荷が増えた分、国内ではラムネの瓶が不足しているというのです。

全国ラムネ協会 木村英文会長:
「コロナでものすごく国内需要が縮小してしまって、国内で(需要が)落ちたぶんを海外に割り振っていたので、奪い合いになっちゃったんですね」

オリジナルのラムネを販売している名古屋市東区の食品店「熊野屋」を訪れると、「グラニュー糖ラムネ」が300円で販売されていました。人工甘味料を使わずグラニュー糖で甘さをつけたこだわりのラムネですが、ラムネには欠かせない瓶が手に入りにくくなり、価格も上昇。中身のラムネより、瓶代のほうが高いといいます。

安価で軽く、大量に生産できるペットボトルを使うという手もありますが、熊野屋の店主はペットボトルと瓶では口当たりが全然違うと話します。

熊野屋 熊田博店主:
「ガラス瓶が手に入らなかったらもうやめるしかないです。やはりガラスに入ったラムネが本当のラムネなので。全然音も違うし、飲んだ感触も違うし」

日本の夏を彩るラムネ。この先、どうなってしまうのでしょうか…。

復活のカギは“ご当地ラムネ”のブランド化

駄菓子屋や夏祭りの定番だったラムネですが、今では製造する商品の多くを海外に出荷するという企業も出てきています。全国ラムネ協会の木村会長が営む会社では、なんと9割が海外向けで日本は1割のみ。

木村会長によると、ここまで海外への出荷に傾いてしまった理由の一つは、海外では年間を通してラムネが売れることにあるといいます。日本のラムネ需要は夏だけですが、年中暑い東南アジアでは日本で需要が落ち込む季節にもラムネが飲まれますし、欧米ではクリスマスやニューイヤーなど寒い時期のパーティー需要もあります。

もう一つの理由は、2013年に「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたこと。徐々にラムネの知名度が上がり、最近ではアメリカのスーパーにもたくさん陳列されるようになりました。

飲料容器は瓶からペットボトルにシフトしているため、飲料用の瓶の出荷量は右肩下がり。コロナ禍があけてラムネ人気が復活しても、工場が減ってしまったので、すぐには生産が追いつかない状況です。

今後、瓶のラムネはどうなるのでしょうか。木村会長は、日本のラムネ人気を高めていくために、ご当地ラムネをワインのようにブランド化して盛り上げたいと話します。

ご当地ラムネは、北海道の「北海道メロンラムネ」、栃木県の「いちごのラムネ とちおとめ」、広島県の「もみじ饅頭風味ラムネ」など、全国各地で個性的なラムネが登場しています。

日本のラムネ文化がついえてしまわないように、ラムネ業界自体を盛り上げていくことも大切なのかもしれません。

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