総裁選善戦の石破氏 自民党内で今何が?
自民党総裁選で安倍首相は、石破元幹事長を抑えて連続3期目の当選を果たした。しかし、結果的に石破氏は想定よりも善戦し、「自民党は1色だけではない」と成果を強調。今、自民党内では何が起こっているのか?日本テレビ政治部・菊池正史デスクに聞く。
――自民党の総裁選、安倍首相が連続3選を果たしましたね。
今回は、想定されていたよりも石破さんが善戦したというところが大きな特徴だと思います。特に、党員・党友票では45%と、半数近い票をとりました。
やはり、森友・加計問題をはじめ、安倍さんの政治に対する批判票が、自民党内にもかなり鬱積しているということだと思います。
問題としては、官僚の協議答弁、文書改ざん、それからいきすぎた忖度、またそういったものをかばう政治、それが明るみに出ても誰も責任をとらない政治、こういうものに対する不満や反発…そういったものが自民党内にも鬱積しています。
実は、安倍さんを支持した8割の議員の方々の中にも、裏にいけば「いまのままでは安倍政治はよくない」という政治家はいっぱいいるんですね。派閥の事情など色々な組織の論理もあって、今回は安倍さんを支持している人も多いわけですけれども。
そういう意味では今回の党員票というのは、自民党の「このままで政治はいいのか」という問題意識というか、ぎりぎりの良識が示された結果だったのではないかと思います。
だからこそ石破さんも「自民党は1色だけではないことを示せた」と、成果を強調したんだと思います。
――政治の倫理が問われたんですね。
道徳的・倫理的な良識が問われていた。それが今回、発露したということだと思います。
■菊池正史プロフィル
日本テレビ政治部デスク。細川政権の時に政治部に配属され、取材に奔走。官邸クラブキャップとして、激動の小泉政権を報道した。また、選挙報道にも深く切り込み、政治に関する著書もある。
【the SOCIAL guestより】