支持グループ“配慮”「在庫一掃内閣」とも
第4次安倍改造内閣が皇居での認証式を経て正式に発足する。今回の改造の特徴について解説。
先月の総裁選で、自らを支持したグループに対する配慮を強くにじませたという点と、入閣待望組を一斉に入閣させたという点が特徴と言える。女性閣僚としては唯一、片山さつき元総務大臣政務官が地方創生担当相に起用された。
片山さつき氏「(安倍首相からは)地方をくまなく歩いている経験と発信力をいかしどんどん進めて欲しいと」
また防衛相には、党の国防部会長も務めた岩屋毅元政務官、農林水産相には吉川貴盛元農水副大臣を起用するなど実務能力を重視した布陣。しかし、自民党18人の閣僚のうち、先月の総裁選で自らを支持した閣僚が17人にのぼり、支持派閥への配慮が露骨に現れていると言える。
また初入閣12人というのは2012年に第2次安倍政権が発足してから最も多い数。自民党内からは「入閣待望組の在庫一掃内閣だ」と厳しい声も出ている。
一方、自民党の新たな執行部だが、早速、安倍首相が主張する憲法改正が課題となる。党内の議論をまとめるにあたりキーマンとなるのが、新たに起用された加藤総務会長。なぜなら党の最高意思決定機関は総務会であり、安倍首相はそのトップに側近の加藤氏を起用することで、自らの方針を強力に反映させていく思惑があるとみられる。
ただ、党内には安倍首相の憲法改正の進め方に反対する声もある。今後どう調整を進めて行くのかが焦点となる。