APEC首脳会議開幕 米中が激しい応酬
安倍首相も出席するAPEC(=アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議がパプアニューギニアで開幕した。これに先立ち、貿易問題で対立するアメリカと中国が激しい応酬を繰り広げた。
会議に先立って行われた演説で、中国の習近平国家主席とアメリカのペンス副大統領が火花を散らせた。両大国の間に入り、安倍首相には難しいかじ取りが求められている。
習近平国家主席「私たちは貿易保護主義、単独主義にははっきり反対すべきである。保護主義、単独主義の古い道を歩んでは問題解決にならないだけではなくて、世界経済の不確定性を増やすだけである」
ペンス副大統領「中国は、とてつもない障害や関税を課し、輸出入の割り当て、技術の強制移転、知的財産権侵害などに関与してきた」
習国家主席がアメリカを念頭に保護主義などを批判したのに対し、ペンス副大統領は「この地域に独裁主義や侵略の居場所はない」と中国を批判した。また、インド太平洋地域に、インフラ整備のため600億ドルの融資枠を設けたことなどを表明しました。影響力拡大を狙った中国をけん制した形。
ペンス副大統領は今月、来日した際、安倍首相と「自由なアジア太平洋」構想の実現に向けて、インフラ整備などで連携を強化することで一致している。
一方で、中国の習国家主席は先月の安倍首相との会談で「自由で公正な貿易体制を発展させること」で合意するなど関係改善を進めている。
安倍首相はアメリカとの連携強化、そして中国との関係改善、二つの課題を抱えながら、APEC首脳会議でも難しいかじ取りが迫られることになる。