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箕輪厚介氏に聞く“若者×選挙” 2

2019年7月19日 18:35
箕輪厚介氏に聞く“若者×選挙” 2

この夏の参議院議員選挙を控え「the SOCIAL」では、「若者が投票に参加する意義について」箕輪厚介氏に聞いた。


Q:“箕輪流”選挙アプローチ術はあるのか

箕輪氏:それで言うと、考えたんだけど何で行かないかというと、要は“誰も興味がない”んだよね。候補者のことだって知らないし、みたいな。

こんなこと言ったら、中学生じゃねえんだからって思われそうだけど、はっきり言って、全員ホントかよって思っちゃうっていうか。要はこれ、大方8割9割(の政治家)は地道に真っ当なことをやってると思うんだけど、メディアとかが作ってる部分でもあるんだけど、当選した後、その政策が実行されたかとかっていうことは関係なく、世の中に出てくる、普通に生きていて目にする政治家ネタってだいたいスキャンダルか失言か、野党が文句言ってるみたいな感じだから、はっきり言って政治に対して幻滅してるみたいな。

政治家のスキャンダルが失言とか暴言とかをメディアが、僕も出ている側の人間だからアレですけど“やりすぎじゃない?”って思うの。あれ見ているとまともな人は政治家になろうと思わないですよ。だからどんどんある種レベルが低い人、他には金が稼げなかったりする人が政治家になってみたいな感じになりどんどんレベルも下がり、また失言を繰り返したりしちゃう。だから一般の価値観から離れたことをやっちゃったりして叩かれるんだけど、なんかこうワンミスをあげつらって野党やメディアが叩くみたいなのはあんまり良くない気がしますよね。

だから本当に身近な人が出始めると何か変わる気がする。投票もそうだけど、政治家になるって行為すらも、なんかもうちょっといろんな身近な人が、それこそタレント議員とか言われるかもしれないけど、そこら辺のインフルエンサーとか起業家とかさ、なんかしてるような人が出るようになるともうちょっと身近になる気がする。

この人たち本当に言ってるのかなって気がするんだよね。それこそ芸能人の人とか。立候補した瞬間なんかめっちゃ綺麗なこと言い出したりするのが、「もういいわ」って思うんだよね。でもそれは芸能人の人がいけないっていうよりも、メディアが揚げ足とって世間が叩くからそうせざるを得ないというこの巨大なるキレイごとのスパイラルに(入ってる。)なんかある種どんどんどんどん現実から離れてしまって、政治にリアリティーを持てないというのが今な気がするな。

やっぱりなんでAKB総選挙にみんなファンの人が熱狂するかと言ったら、日常的に公演をいっぱいやったり握手会をやったりして、日常的にその人の良さとか努力とかに触れてるから、総選挙の時、票を投じて何枚も買って1位にさせようとかって応援するわけで。

だからはっきり言って今普通に生きているとさ、業界団体の人とかは別として、我々が普通に生きていて政治家の人と会う機会ってないじゃん。なのに、選挙前になったら選挙カーを走らせて、ずーっと名前連呼して「よろしくお願いします」ってさ。それで投票行こうよっていうのが、ちょっと普通に考えて不自然じゃないか。

だから日常的にもっと政治家がそんなにカッコつける必要ないから、日常的にこの政治家と触れ合ってて、この人は信用できるとか、この人に受かってもらわないと困るわみたいな関係づくりをするべきだと思う。だから選挙期間とかじゃなくて、多くの政治家はそれこそ地元のすごい支持を持っているとこには働きかけにも熱心に行っていると思うけど、若者に関してはほぼやってないわけで、若者との接点を日常的に作らないと。

若者に向けて選挙期間中それこそタレントを呼ぶとか何かプレゼントとか飛び道具をやってもしょうがないような気がする。そもそも政治を若者の日常に置かないと。


Q:具体的に若者が選挙を日常に置くために近道はないのか?

箕輪氏:若者って、政治に興味ない反面、政治家の人と会うだけで何か特別な気持ちになったように喜んだりするじゃん。それを俺とかもすごい偉い議員の人たちの勉強会に呼ばれると自分も大人になった気になるみたいな。それこそ僕のオンラインサロンでも西野さんのオンラインサロンでも、大学のサークルでもいいけど、ある程度コミュニティー化しているところと絡んでて、一緒にプロジェクトをやるとかそういう風にできないのかなって気もするけどね。


Q:選挙の投票に行かないことで若い世代は困っていく。選挙に行かないことにより起きる”困った”にリアリティーを持たせる”手遅れ感”。

箕輪氏:それは究極、もう手遅れの時点でめっちゃリアリティー持つんじゃないかな。要は病気だって何だってそうで本当に健康じゃなくなったら、健康診断行っとけばよかったって思うからリアリティーを持ったり、なんというか能動的になるためには本当にピンチに直面しなきゃいけないっていうのは、選挙に限らず政治に限らず必然。

本当にこの世代間格差が顕著になり始めたら、それこそ暴動とかデモになるか、選挙に行くかぐらい、めちゃめちゃ若者がリアリティーを持つと思うから今そのギリのとこだと思うなという気がしますね。まだ(若い人たちは)全然オッケーって思っているんじゃないかな。別にニュースでいろいろ聞くけど、そんな生活厳しいわけじゃないしみたいな。

多くのことって手遅れってないから一度、選挙に行かなかったことによって割を食ったみたいな経験をしちゃうしかないような気もするんだよね。中途半端に選挙行こうぜみたいにやるより本当に後悔したほうが、そこから結構選挙って大事だなっていういい経験になるような気もするけどね。

この前バズっていた動画で「若者が選挙行かなくていいよ」とかおばちゃんとかが言ってた、ものとかは、動画としてうまいと思ったけど、「あんなんじゃ行かないよ。わざわざ。」って思って本当に。(若者が投票するかどうかは)自分の人生としてどっちかだと思う。自分の人生としてマジで損するって切実に思うか、友達とか身近な人が候補者か。どっちかな気がするね。

別の番組で、『選挙行くには?』というので、「タレント呼んでほしい」とか若い人が言ってたんだけど、そんなことで来て、そんな奴らに投票するくらいならやめた方がいいような気もすんだよ。若者が行くという行為が、議員の目を若者に向けさせる票田になるっていうのはその通りなんだけど。飛び道具を使って投票率を上げても、それって本質的なのかなって気がして。

それだったらリアルにヤバイって危機感に目覚めるっていうのか一番ショック療法としていいような気がする。僕はよくはないけどそうせざるを得ないんじゃないかって気もするな。