自民党3派閥が「解散」 安倍派「心よりおわび」 涙する二階派議員も
自民党の3つの派閥に対し一斉に刑事処分が出された“裏金事件”。岸田派、二階派に続き、19日夜、最大派閥「安倍派」の“解散”も決まりました。派閥の解散を受け声を上げ、涙する議員も…。
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19日夜、自民党・安倍派の緊急議員総会が開かれました。
自民党・安倍派 塩谷座長
「心より深くおわびを申し上げる次第でございます」
裏金事件で逮捕者も出した安倍派。どのようなけじめをつけるのでしょうか。
自民党・安倍派 宮沢博行議員(先月13日)
「大丈夫かなとは思いました。しゃべるな! しゃべるな! これですよ」
そこには、派閥から収支報告書に記載しないよう指示を受けたなどと暴露した宮沢博行議員の姿もありました。総会が終わり、出てくると…
自民党・安倍派 宮沢博行議員
「国民のみなさんのけじめとして、これは必要当然のことだと思っています。自分たちで腹を切って、そして介錯がある。それでいいのではないでしょうか」
安倍派が出した結論は、約100人が所属する自民党最大派閥の解散です。
自民党・安倍派 塩谷座長
「結果的に清和研(安倍派)を解消すると決定させていただきました」
その“引き金”となった派閥のパーティー券をめぐる裏金事件。収支報告書への約5100万円の不記載で「在宅起訴」された大野泰正議員が19日夕方、カメラの前に現れました。
自民党・安倍派 大野泰正議員
「経理面につきましては、全て事務所スタッフに任せておりました。私としましては、検察との間の意見の相違がございますので、裁判においてしっかりと自らの主張をしてまいりたいと思います。やましいことはございませんので」
自民党を離党しましたが、議員辞職は否定しました。
もう1人、議員で立件されたのが谷川弥一衆院議員です。不記載額は約4300万円に上ります。
自民党・安倍派 谷川弥一衆院議員(先月10日)
「だから、今言った通りって言ってるでしょ、今言った通りって」
「略式起訴」された谷川弥一議員は自民党を離党し、議員辞職する意向も固めています。
谷川弥一議員のコメント
「国民の皆様ならびに長崎県民の皆様に深くおわび申し上げます」
東京地検特捜部は、大野議員と秘書の岩田佳子氏を「在宅起訴」。谷川議員と秘書の三宅浩子氏を「略式起訴」としました。
そして、収支報告書に記載のないパーティー券収入の総額が約6億7000万円の安倍派の会計責任者を「在宅起訴」。不記載の額が約2億6000万円の二階派の会計責任者も「在宅起訴」。
一方、不記載の額が約3000万円の岸田派の元会計責任者は「略式起訴」。また、議員側では、二階派の二階元幹事長の秘書についても「略式起訴」しました。
一方で、事務総長経験者など安倍派幹部7人の立件は見送りました。
自民党・安倍派 塩谷座長
「不記載という状況も我々、全く知りませんでした。派内で具体的に問題にしたことも一切ありませんでした」
――責任を明確にした方がいいと思うが?
自民党・安倍派 塩谷座長
「今ここでお約束することはできません。今後検討していきたい」
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岸田首相(18日)
「宏池会(岸田派)を解散することを検討しております」
岸田首相が口火を切った“派閥の解散”。二階元幹事長の秘書が「略式起訴」された二階派でも解散を決定しました。
――解消後も政策の研さんの場で集まったりは?
二階俊博元幹事長
「まあ、人は自然と集まってくるものですから、『派閥解消だからあっち行け』そんなこと言えないわね」
決定後、聞こえてきたのは、涙を流す二階派議員の声です。
自民党・二階派 宮内秀樹議員
「まあね、でもねやっぱり、信頼を回復させるための大きな判断を二階会長がやったということですから」
6つの派閥のうち、3つが解散を決めた自民党の今後はどうなるのでしょうか。
日本テレビ 与党担当キャップ・前野全範記者
「裏金の使い道などについて詳しい説明が求められる局面ですが、各派閥が解散するかどうかに論点がずれ始めています」
「麻生副総裁も茂木幹事長も派閥の解消には慎重な立場で、麻生派と茂木派の議員からは岸田首相の解散表明に反発する声が相次いでいます」
「岸田政権はこれまで、岸田首相、麻生副総裁、茂木幹事長の3人が中心の『三頭政治』で動いてきましたがパワーバランスが崩れ、政権が不安定化する危険性もあります」
派閥の解散で政治の信頼は取り戻せるのでしょうか。
(1月19日放送『news zero』より)