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小泉環境相“発信力に立ちはだかる高い壁”

2019年10月26日 21:02
小泉環境相“発信力に立ちはだかる高い壁”

小泉環境相は26日、台風19号で被災した福島県郡山市を視察した。その「発信力」は常に注目されてきたが、高い壁にも直面しているようだ。大臣就任以降の動きを取材した。

小泉氏「大丈夫でしたか?」

地元住民「大丈夫でした。助けてくださいね」

小泉氏はこれまでも、自然災害の被災地に寄り添う姿が高く評価されてきた。さらに、人気の理由は父親譲りの演説力。

小泉氏(今年7月)「政治家として大事なこと、話を短くすること。そして、わかりやすくすること」

そこには歯に衣着せぬ「進次郎節」も。去年、森友問題に関連し、財務省が公文書を改ざんした際、「安倍首相批判」とも受け取れる発言をした。

小泉氏(去年3月)「自民党という組織は、政党は、官僚のみなさんだけに責任を押しつける政党ではない」「権力は絶対に腐敗するんです。(Q.安倍政権は腐敗していますか?)全ての権力はそうなるんです」

大臣就任の記者会見でも、強調したのは、やはり自身の「発信力」だった。

小泉氏「私も総理から海外での発信、海外への発信、そういったこともよろしくと」

ところが今、その「発信力」が厳しい洗礼を受けている。海外メディアに温暖化の原因とされる「石炭火力発電」について問われると…。

小泉氏「削減です。(Q.どうやって?)……。先週就任したばかりだ」

福島の除染作業に伴う汚染土を30年以内に県外の最終処分場へ移すための具体策を聞かれた際は…。

小泉氏「健康でいられれば、30年後の約束を守れるかどうか、そこの節目を私は見届けることができる可能性のある政治家だと思います。全力を尽くしたいと思います」

こういった発言に対し、野党は…。

共産党・小池書記局長「(気候変動の問題には)具体的で実効性のある計画を立てること。ちょっとあきれてしまいますね」

与党からでさえ発言に「具体性がない」「意味不明」などと批判が噴出した。

こうした事態に自民党幹部は、「国会での答弁は原稿を読むようにアドバイスした」と話す。「安全運転」を指示され、「発信力」は封印。国会では、用意された答弁を読み上げるシーンも目立つようになった。

小泉氏「国連の気候変動のアクションサミット、こちらは、招待国は196の国と地域で」

しかし、これにも野党から厳しい声が飛んだ。

立憲民主党・本多平直議員「安倍内閣に入った瞬間に、安倍内閣の悪い癖がうつっちゃってるんじゃないですか」

立憲民主党・辻元清美議員「森友問題のときに、『官僚に責任を押しつけてはならぬ』。その小泉進次郎に喝采を送ったんですよ。大臣になったら全然違うじゃないですか」

小泉氏「批判の声も絶えずありますので、そういった声に謙虚に向き合い、役割を果たしていく」

審議の合間に、菅官房長官に自らの答弁について感想を聞く一幕もあり、関係者によると、菅長官は高く評価したという。一方で、小泉氏は周辺に、「自分のカラーを出せない」と、悩みを吐露しているという。

今、小泉氏は何を思うのか。直接聞いてみた。

-Q.歯切れが悪くなったという声も聞かれるが?

小泉氏「全ての声を受け止めて、やるべき課題を前に進める。その中で評価・信頼を高めていけるように、全力を尽くしていきたいと思います」

だれもがうなずく発信力をどう身につけていくのか。小泉氏の挑戦は始まったばかりだ。